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最後のターゲットは、幹部の5人。

彼らを仕留めなければ私は…………



『っ、』



考えるだけで今は苦しかった。
なんだかんだ彼らとは此処に来てから一番関わりを持ってきたし、彼らとの生活に慣れてきていた私にとって彼らを失うのは嫌だという感情すら芽生えていたのだ。

思考を巡らせているうちに
ガチャリと扉が開いて、私はその先に視線を飛ばした。



「ほんとにいるじゃん」



私を見た瞬間そう言葉を発するのは、天パメガネ……きりやん様。
その口ぶりからして恐らくきんとき様から私が彼の部屋で休んでいることを聞いたのだろう。

いつもなら、何か用ですか、くらい言えるのに
今は言葉が喉を通らなかった。

だけどきりやん様はそんな私を気にも留めず近付いてきた。



「ねぇA、俺の専属になる気ない?」



昔の私なら殺.せるチャンスだと思って
彼の手を取ったのかもしれない。



『…すみません』



けれどこんなに早く断ってしまうのは
彼らを仕留めなければならない事に抗っている自分がいるからで。
まぁ勿論、私はきんとき様の専属である以上掛け持ちは不可なのだが例外として幹部達の合意があれば複数の専属として仕えることは可能らしい。
それでも、私はもうこれ以上…。



「んー…じゃあこっち来て」



彼は考えたあと私の手を引いてベッドの上へ連れて行った。
どうしたんだろう、と思うと
疲れたから寝る、なんて子供みたいな事を言い出したのだ。



『……』



先程から私に背を向けたりと隙ばかり窺える。
警戒心がなってない。


私は、そっと
隠し持っているナイフに手を掛けた。


ああ、やっぱり私は所詮、暗殺者なんだ。







____さようなら、きりやん様。







ナイフは素早く彼へ向けられ勢いよく直進した。



…が、



手首がガシッと掴まれた事によって私の視界は横転した。
其の儘ベッドに縫い付けられ覆い被さるようにきりやん様が私の上に跨った。



「なーにしようとしてんの?」



怒っているようで怒っていない。そんな感じの声色で彼はそう言った。
掴まれた手首はさすがにびくりとも動かなくて私は全てを諦めたかのように言葉を吐いた。



『きりやん様は分かっているんでしょう?

私は最初から、此処にいる資格のない人間です。
貴方に刃を向けた事は追放や死.刑の理由には十分なはず。

私を、殺.してください』



きりやん様に矛先を向けた時点で
私は幹部達全員を敵に回したと言っても過言ではない。


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作品ジャンル:恋愛
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٩( ᐛ )و - 一気読みさせてもらいました!すごい美しい物語で…語彙力が溶かされました()心情の描き方がすごく柔らかくて細かくて心にくるものがありました!この物語に出会って楽しかったです! (2022年12月23日 17時) (レス) @page42 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - あずきさん» コメントありがとうございます…!!!わあああ嬉しいです…!!!!これからも頑張ります^^ (2022年9月30日 20時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
あずき - 完結おめでとうございます!!これからも応援させてください~!!⸜🙌🏻⸝‍ (2022年9月30日 19時) (レス) @page43 id: fed7a00a2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - せなさん» コメントありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです‼︎頑張ります^^| (2022年8月6日 2時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです...。。更新頑張ってください! (2022年8月2日 1時) (レス) @page15 id: 4799d8c49a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆー | 作成日時:2022年7月23日 17時

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