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『それに、隠すのが普通だと思いますし、その、気にしないでください。
今回は私がたまたまぐっちの同級生だったから知ってしまっただけですし。私も勿論公言することは絶対無いので。』
「あ、その、お気遣い、ありがとうございます、」
『いえ。
………今後は、お仕事のお話はしないようにしますね』
「へっ、や、そこまで気を遣わなくても、!」
『違います。えっと…私が"黄原さん"と話したいんです』
「………え、」
__ほら、やっぱり彼女はこういう人だ。
ステータスで見ない。知名度や実績なんて関係ない。
彼女が、ちゃんと"人"を見るタイプだからこそ、俺も彼女に惹かれるところがあったのかもしれない。
__ああ。ヤバいな。
彼女と過ごす時間が増えれば増えるほど
好きなところしか見つけられない気がする。
『あ、ここで降ります』
駅への停車アナウンスが聞こえたと同時に結城さんがそう言った。
俺は、はい。と返事をして彼女の後ろをついて行く。
暫く歩いて周りの景色を見ると見覚えのある風景に心が跳ね上がった。
「あっ、結城さん、もしかして」
『わかっちゃいました…?』
「水族館ですか?」
『はい、正解です』
「え"!俺めっちゃ好きなんですよ!」
まさかの結城さんが
行きたがってた場所は、名◯屋港水◯館だった。
俺も家族や友達と何度か来たことはあるけど、
"好きな人"とは初めてだ。
「うっわ!やっばテンションあがる!」
『良かったです』
にこりと微笑むAさん。
その度に俺の心臓は煩く跳ねる。ほんと、もう少し落ち着いてくれって思う。
それからベルーガを見たり、イルカを見たり、クラゲを見たり、ペンギンを見たり、館内を2人で回った。
同じ水槽を覗くときの彼女との物理的な距離に、このまま触れたいな、なんて思えば、そっと胸の奥にしまい込んだ。
『黄原さん、シャチのショーやるみたいですよ』
「おっ!見ますか!!」
『そうしましょう』
日本の水族館にしては珍しい。
ここには、シャチがいるんだ。
これは愛知県の誇れるところでもある。だって凄くない?シャチがいる水族館って日本で2カ所しかないんだよ??
そんなこんなでシャチのショーが始まり、
俺たちは大きなシャチの姿を目をキラキラさせながら見た。
ショーが終わると、
シャチがお目当ての人が多かったのか、ぞろぞろと席を立ち上がる人で溢れた。
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すみれいん(プロフ) - ゆーさん» お返事ありがとうございます!!最新話の8でもう既に『あ……ぁぁぁ(発狂)』となりましたありがとうございます。いやいやいや、もどかしい…早よくっつけ!!あー!甘い!と鼻息荒くなります。 (6月23日 4時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - すみれいんさん» コメントありがとうございます‼︎wtではありませんが、キュンキュンできるような作品になるように更新頑張りますね^^ (6月21日 4時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - wtじゃないなら読まんでいっか…と思いましたが読んでみるとめっちゃ続き気になって読んで良かった…のいいお話に出会えてホクホクしております。これは、本当にとても続きが気になりなんかむずむずしちゃいました笑 (6月20日 3時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆー | 作成日時:2023年6月20日 2時