第三十一話 ページ32
『その服って超暑そうだよね。なんの生地?革?』
隊服の上着を脱ぎ肩にかけているのを見ている限りとても暑そうに見える。
仕事しないくせに服はちゃんと来ているんだなぁとか思いつつ、服を作る身としてはそういうの少し気になる。
「知らねー。とりあえず暑ィ」
『夏用の制服とかないの?幽霊で倒れた次は熱中症で倒れちゃわない?』
「あるのはある。俺が作った」
『ならそれ着れば…』
「だせェからヤダ」
『自分で作ったんじゃなかったの…』
隣で沖田は二つ目のアイスを食べ始めた。
本当に暑いんだろうな。汗だくで目が虚ろだ。「あ"ぁ…」とか言ってるし。
普段からやる気が感じられない目してるけど今日は増して目が死んでいる。お父さんみたい。
あぁ……暑い。
私もアイス食べたくなってきた。
そんなことをぼーっと考えていると右の方からものすごい勢いで車が走ってきた。
『なにあれ…危ないな。アンタ、仕事する時が来たんじゃない』
そう言って振り向くと沖田はいなくなっていた。
駄菓子屋にまた入っていったよう。
……仕事全くしないなこの人。
「わーい!!おっかしーおっかしー」
そう言って駄菓子屋から男の子が道へ走り出してきた。
ちょっ、車来てるしっ、急いで渡れ!!
『君、車!車きてるよ!!』
「おっかー…痛っ!!!!」
『ばかっ……』
声をかけるも聞いてないようでそのまま走り抜けるとよかったんだけど、ベタ中のベタ。道の真ん中で男の子はこけてしまった。
持ってたお菓子の袋を放り出し、男の子へ駆け寄った。
「うわーん!!!」
『大丈夫?とりあえず今は急いで……』
全然立とうとしない男の子に車はどんどん迫ってくるばかり。
これはもう、車をどうにかするしか……
『……切るか』
腰にある刀を握る……が、スカッと空ぶる。
『え』
あるはずの刀がない。
……あ。駄菓子屋で座った時に横に置いたんだ。
忘れてきてた。
やばい、引かれる。
そう思って男の子を抱きしめ、反射的に目を閉じた。
『っ……』
「馬鹿かてめェは。何回言ったら覚えんだ。死ぬかもって時に目ェ閉じんな」
その声に目を開けると目の前には刀を持った沖田の背中。
『沖田…………』
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雪だるま - 銀ちゃんの娘...!!.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.ちなみに母親は誰なんですか? (2018年10月5日 22時) (レス) id: 9c5c3e2020 (このIDを非表示/違反報告)
さつきち(プロフ) - みみさん» わぁぁぁああ!!!本当ですね!! 前半消えてていそいでつくりなおしたんですけど載せてたんですね良かったです〜お知らせありがとうございます!! (2017年1月20日 18時) (レス) id: faee2cb2ed (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 30話と40話、同じ話ではないでしょうか…? (2017年1月20日 18時) (レス) id: 3460ff137f (このIDを非表示/違反報告)
さつきち(プロフ) - まめみかんさん» 最近時間が無くてあまり書けずにいますが時間があれば書きたいとは思います!ありがとうございます! (2016年12月28日 14時) (レス) id: faee2cb2ed (このIDを非表示/違反報告)
まめみかん(プロフ) - 面白いですっ!トプ画がすっごくお上手で羨ましいです〜♪他のイラストも描いて欲しいです!! (2016年7月9日 12時) (レス) id: 38d08b875a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつきち | 作成日時:2015年12月28日 22時