第十四話 ページ15
ーーーーーー……
「拝み屋するか」
『は?』
「拝み屋?」
次の日の昼。
いつものごとく、あたしたち万事屋に仕事は来ておらず、ぐったりとソファに寝転んでいたところにお父さんが口を開いた。
「暑いじゃん?怪談話流行るじゃん?ちょっと不気味なこと起こったらそれを霊のせいにする奴いるじゃん?絶対ェ儲かる」
「でも僕たちそんな霊を追い払う力なんて持ってませんよ?」
「ちょっと儀式っぽい感じ出したら信じるって。ほら颯希、この前作ってた服あるじゃん。あれなんてそれっぽいだろ」
『えぇええ…そんな詐欺まがいなことするの?バレたらどうすんの』
「バレないバレない。まぁ、いざとなったら神楽が物理的になんとかするから」
「なんとかって何アルか」
「なんとかはなんとかだよ。力ずくで頑張れ」
「依頼者死にますよ!?」
「んな簡単に人は死なねェよ」
『あ。でもあたしの分の服作ってないや。3人で行ってきてよ』
「しゃあねぇな。んじゃ万事屋改め拝み屋開店ー」
ーーー…
『……そしてあたしは一人になるるるるぅぅう』
こうやっていつも結局あたし以外の3人が仕事に出かけて一人になるんだよね。
お父さんの回転椅子に座り、くるくると回りながら変な歌を歌っているとなんだか余計虚しい気持ちになった。
『暇だなぁ……』
プルルルッ
あたしがつぶやくとそれに反応したかのように机の上の電話が鳴った。
ワンコールで勢いよく電話に出る。
『っもしもし!!万事屋です!』
「あら、颯希ちゃん?ワンコールで出るから驚いたわ」
声の主は新八のお姉さん、妙ちゃんでした。
『暇だったのぉ……。どうしたの?』
「あのね、さっき新ちゃんたちが真選組に入っていったんだけど…もしかして捕まえられちゃったのかしら」
『え"』
「変なね、変装をしていて断定はできないんだけど、あれは絶対銀さんたちだと思うのよ。メガネさえ違ったけどあれは新ちゃんだと思うし……」
『ぁ……ぇえっとぉ……。とりあえず確認してみるね。ありがとう妙ちゃん』
「いえいえ。それじゃね」
『はーい』
受話器を本体に戻し、なんだか変な汗が頬を伝う。
これは多分暑いからって出た汗じゃないな。
……あの馬鹿たちめ!!!
やるなら上手くやりなさいよね!
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雪だるま - 銀ちゃんの娘...!!.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.ちなみに母親は誰なんですか? (2018年10月5日 22時) (レス) id: 9c5c3e2020 (このIDを非表示/違反報告)
さつきち(プロフ) - みみさん» わぁぁぁああ!!!本当ですね!! 前半消えてていそいでつくりなおしたんですけど載せてたんですね良かったです〜お知らせありがとうございます!! (2017年1月20日 18時) (レス) id: faee2cb2ed (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 30話と40話、同じ話ではないでしょうか…? (2017年1月20日 18時) (レス) id: 3460ff137f (このIDを非表示/違反報告)
さつきち(プロフ) - まめみかんさん» 最近時間が無くてあまり書けずにいますが時間があれば書きたいとは思います!ありがとうございます! (2016年12月28日 14時) (レス) id: faee2cb2ed (このIDを非表示/違反報告)
まめみかん(プロフ) - 面白いですっ!トプ画がすっごくお上手で羨ましいです〜♪他のイラストも描いて欲しいです!! (2016年7月9日 12時) (レス) id: 38d08b875a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつきち | 作成日時:2015年12月28日 22時