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第十六話 ページ17

俺は霧搭に聞いてみることにした。

この学園で一番の情報通だからだ。

まあ、俺の知る中でと言う如何にも狭い視野での考えだったりするのだが。

夜「霧搭…先生…」

一応、教師なので先生をつけた。

霧「あれ?夜鷹くんの方からわたしの所に来るなんて珍しい」

彼は銀縁の眼鏡のブリッジを正しながら言った。

夜「まあ、聞きたいことがあるので…」

霧「なになに、答えれる事ならなんでも答えてあげるよ…?」

何故かノリノリの霧搭幻舞。

どうせ良からぬ事を考えているのは丸見えなんだが…。

夜「…どうせ交換条件ですよね」

霧「勿論だよ」

いい被検体を見つけたと喜ぶ彼は、まるで新しいおもちゃを貰った子供かのように生き生きとした表情だった。

夜「…はぁ、まあ…分かりました。条件にもよりますが俺に出来る事なら何でもします」

霧「そう?なら、わたしも答えれることなら何でも答えよう」

眼鏡の奥の瞳をキラリと輝かす。

夜「…じゃあ、篠波家の時期跡継ぎがここに居る件について教えてください」

霧「ん…?そんなんでいいの?」

不思議そうに俺を見たあと霧搭はペラペラとしゃべりだした。

夜「…なるほど、つまりここに篠波 寐莠が収容されたのは俺のせいなんですね」

霧「まあ、間接的にはそうなるかな。ここの理事長はこの学園にこの世の全ての異能を集めて管理したいと思ってる訳だしね…」

いつものふざけた表情ではなく真剣な様子の霧搭。

夜「つまり、俺をここに収容したあと俺の周りの情報を調べあげたと…」

霧「そうだね」

夜「でも…どうやって?俺の親は…」

俺の親は居ない一族だってそうだ。

霧「そうだね、君の能力者の暴走で殺しちゃった訳だしね…」

夜「………………」

霧「でも、まぁ…自業自得なんじゃないかな?もともとは篠波家が君たち影縫家を潰そうとした訳だし」

彼は立ち上がり説明に使った文書に火を着けながら言った。

霧「君はその時のショックで能力者が暴走した、要するに君は被害者って訳だ。つまり、あのお嬢さんを恨む理由はあれど仲良くする必要はない訳だ」

夜「恨むとか…そんなのはない…」

何故かそんな感情は本当になかった。

霧「ふーん、じゃあ約束通り交換条件ね」

そう言うと彼は俺の血液を採取する。

霧「あっ!あとこの薬の被検体になってね〜!」

軽いノリで何かを注射される。

夜「何を入れた…?」

霧「死にはしないなら気にするな」

そう言うと彼は俺を研究室から追い出した。

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作者名:シア@卯月 雛菊余接 | 作成日時:2014年3月21日 22時

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