第十四話 ページ15
寮に帰ってから考える。
あの時、本当はなんと答えれば良かったのだろうかと…。
きっとここは情報操作がされているから外について分からない。
多分、篠波の記憶もここに来る時になにかされたものだと思う。
学園の入学者の履歴には篠波 寐莠(12)と記載されていた。
霧搭のレアな能力者を集めた帳簿に書かれていた。
結羽は俺に余計な事はしゃべって欲しくなさそうな様子だし、俺はどうするべきか困った。
トントン
部屋の扉をノックする音が聞こえる。
夜「…どうぞ」
入ってきたのは結羽。
結「お嬢様は全て覚えていませんよ」
夜「そう…」
とりあえずお互いに向かい合わせに座って話す。
結「何もない部屋ですね」
夜「寝泊り出来る以外に必要性がないから」
この部屋にはソファーと毛布、着替えぐらいしかない。
結「よく眠いんですか?」
夜「うん…」
俺が頷くと結羽の表情がいつにも増して真剣になる。
結「また壊すんですか…10年前のように能力を暴走させて?」
夜「好きでやったんじゃない…それに篠波家が先に仕掛けたことだ」
俺は昔の嫌な記憶を押さえ込むように言った。
結「それほどに貴方の闇使いとしての才が恐ろしく思われたんですよ、上の連中たちにね」
夜「上の人間も勝手すぎるな…」
俺の能力はそこまで危ないのか…?
この時ばかりは世の中の理不尽さを少し恨んだ。
結「あとですね、例え貴方でも危ないと判断したら俺は貴方を殺しますから」
いつもと変わらない笑と口調だが結羽の言葉には殺気がこもっていた。
夜「構わないよ、なんなら今の内にでも殺しておきなよ…」
俺は結羽をまっすぐ見て言った。
結「そうですね…それも良いのですが…。貴方はお嬢様のお気に入りなので、今は辞めときます」
そう言うと結羽は俺の部屋から出ていった。
俺が篠波のお気に入り?
何かの冗談だろ…
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作者名:シア@卯月 雛菊余接 | 作成日時:2014年3月21日 22時