軍人の使命 ページ33
私は急いで倒れている2人に駆け寄る。
腹部にナイフが深く刺さっている。
…息はまだある。
何か使えるのはないかと周りを見渡す。
よく見ると私達の使うような軍の医療施設よりも遥かにものが少ないことが分かる。専門知識が皆無なのと物が散乱しているせいで具体的に何がどう少ないのかは分からないが、医療器具が最低限なのは勿論、薬の瓶や包帯、ベッドの数もかなり少ない。
物は散乱していると言うよりか、誰かが暴れたような乱雑な散らかり方をしている。
……1足先に軍人が来ていた？
いや、今回の件は少佐が上層部の人に間接的な言い回しをして医者夫婦を殺せと命じたはず。所謂極秘任務と言うやつである。
仮に軍人だとしても病院に居た人を口封じに皆殺しにするはず。死体が建物内に無い事や、先程私の横をかけて逃げていたイシュヴァール人を見るに考えずらい。
改めてじっくり周囲を見渡すと争った痕跡と言うよりかは、単独で暴れた痕跡が近い。
となると……
｢…ここにはもう何も無くてね、すまない。｣
『！！！』
喋った男の人、確かユーリさんだったか。
『……治療中のイシュヴァール人に…ですか？』
｢…気が動転していて。丁度鎮静剤を切らしていたの。｣
私の問いに答えてくれたのは女医さんことサラさん。
2人ともまだ意識があったのか…！
『ど、どうして…薬が不足している状態で、見た所ここは医療環境が整ってるとはお世辞にも言えない！こんなギリギリ状態でしたのにどうして…どうして軍の帰国要請に従わなかったんですか！？』
「患者の治療をする事が私達の使命だもの…。彼等を置いて逃げるなんて出来ないわ…。」
微笑みながらサラさんは言う。
『…くっ！今止血帯を持ってきますから！！！』
「さっき言った通りここには十分な設備が整ってなくてね…最もこの傷じゃあどの道助からない……。」
医者だからこそ分かるんだ、とユーリさんが呟く。
『そんな………』
私はその場にペタンと座り込んでしまった。
私が数刻早く駆けつけていれば。
私が医術を心得ていれば。
私が、私が、何かをしていれば。
自分の無力さをここまで痛感したことは無い。
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柏餅(プロフ) - 神すぎます！ (3月17日 23時) (
レス) @page6 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
いあさーもん(プロフ) - 夜さん» メモ程度の殴り書き小説に嬉しいコメントありがとうございます…！これからも私の亀以下の更新速度でちまちま更新していきますのでよろしくお願いします*_ _) (2022年1月4日 6時) (レス) id: a05709b1ac (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 初コメ失礼します！この作品のアニメは私も大好きなので読むことが出来て嬉しいです！これからも楽しみに続きを待ってます！作者様のペースで更新頑張ってください！ (2021年12月23日 13時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
いあさーもん(プロフ) - きゃー、コメント気付かずすみません*_ _)こんな殴り書き小説に嬉しいお言葉ありがとうございます！！！これからも更新頑張ってまいります( ᐛ )و (2021年11月3日 5時) (レス) id: a05709b1ac (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2021年9月27日 7時) (レス) @page26 id: e404a1bc1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いあさーもん | 作成日時：2020年10月13日 2時
