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2、美人さんご対面 ページ3

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「へいお兄さん落ち着いて
とりあえず私が話せることなら話しますしおすし」

「どこからうちの敷地に入った」

「それはちょっとよく分かりませんねえ、まずうちの敷地ってどこで──」



サッと手を上げた。そりゃもう音速以上のスピードで。


「真面目に答えろ!!!」

「分からないものは分からない!!!
起きたらここだったんだって!!!!」



アッ、お父さんに反抗してた頃の事を思い出して涙出そう。顔が湿気る。
鼻をすすっていれば、皆がざわめき出した。

知らないよ。だって呆気なく死んじゃって、それから目が覚めたらここだったんだよ。なんなら私が教えて欲しいくらいだ。

意気消沈した瞳でざわめきの先、黒ずくめが波のように裂けて道を作った先を見た。



「───……何事じゃ」



湿った空間に響く凛とした声。
力強い女の人の────いやなにこのめちゃ美人



「幹部」

「やけに遅いではないか、何か不手際でもあったのかえ」

「いえ…この少女が先程目覚めてから、分からないの一点張りで」

「黙りでも否定するでもなく“分からない”のう…」



まさにやまとなでしこバンザイ。
明るい曙色の髪を後ろで束ね、大層な着物を着る、まるで遊女を思わせる美人にじっと見詰められる。

京都が似合いそう、という感想を置いておこう。
いやいやいや、美人にそんなに見詰められたら恋に落ちちゃう確定ですが。


「…ふむ、お主、何処の出身じゃ」

「東京です」

「此処はどこか分かるかえ」



品物を見定めるかのような瞳が私を捉えていた。
此処は東京じゃないのだろうか


「え……京都…ですか?」

「ほう、記憶喪失ではなさそうじゃな」

「幹部、この女はまず置かれている状況が理解出来ていないようです」


話が食い違ってない?大丈夫??
そう思ったけれど、どうやらこの美人さんには会話が通じるようだった。
少なくとも私の“分からない”という意味のわからない状況を信じてくれているみたい


「お主異能は持っておるか」

「イ、えと、いのう…?イノウ??…ですか?」



なんだそれ。
いや18年生きてきて初対面の単語なんてあるか?
そう思ったけど心当たりはない。
イノウさんなんて知り合いも居ないしな。


「鴎外殿に委ねるかのう」


うーんうーんと悩んでいれば、美人のその一言で黒ずくめ達が動く。束縛から解放された。


「わーい!!手足が動く!!待て、お腹も痛くない…だと」

「おいはしゃぐな」



無事手錠をかけられました

3、最上階→←1、おめでとう!人生初体験!!



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作者名:今日もずる休み | 作成日時:2019年8月4日 18時

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