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敦「あ、あんた川に流されてて……大丈夫?」
流れていた彼は辺りをキョロキョロと見渡した。
そして、助かったことを残念がっているように見えた。
太宰「君達かい?私の入水を邪魔したのは」
敦「邪魔なんて!僕はただ助けようと……
入水?」
太宰「知らんかね入水。つまり自 殺だよ」
原作の会話が始まり、私は息を潜む。
原作を変えてしまうというのは、結構怖いからね。
そう考えていると、横から大きな音が聞こえた。
太宰「……空腹かい少年?」
敦「じ、実はここ数日、何も食べてなくて……」
音の主は中島敦だった。
そして、彼の声を遮るように再び、音が鳴った。
今度は太宰治。
太宰「私もだ。ちなみに財布も流された」
敦「ええ?助けたお礼にご馳走っていう流れだと思ったのに」
太宰「?」
敦「「?」じゃねえ!」
「こんな処に居ったか唐変木!」
そんな会話をしていると、遠くから太宰治を呼ぶ声がした。
声の主はもちろん。
国木田独歩だ。
国木田「苦労は全てお前の所為だ!この自 殺嗜癖!お前はどれだけ俺の計画を乱せば……」
太宰「そうだ、良いことを思いついた。彼は私の同僚なのだ。彼に奢ってもらおう」
敦「へ?」
国木田独歩という人物。
作中ではとても苦労人として、読者の中で思われていた。
太宰「君達、名前は?」
敦「中島……敦ですけど」
『(これ、私も含めてか?)……花染Aです』
私達はそこで始めて、お互いの名前を名乗った。
私、久しぶりに人に名前を教えたな。
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作者名:シザンサス x他1人 | 作成日時:2020年7月26日 18時