【njsj】お嬢様は“こんばんは”と言う［２］ (ページ29)

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リンside

弦月｢今から少し前の桜魔皇国で、ある一人の女の子がいた。

その女の子はただの女の子じゃない、"祓魔師"だった。

彼女は、景君と一緒にペアで任務をすることが多かった。

女の子は禍祓で首席、景君も首席。
多分、力量もそれほど差がなかったんだろうね。

それから二人はみるみるうちに強くなった。

お互い年齢差はあったけど、仲が良く、いつも一緒にいた。

そして、僕や晴君も彼女に会った。

その子はね、″綺麗な白髪の三つ編み″と″透き通った水色の目″を持っていた。

綺麗だったよ、とっても。

僕は同い年ですぐに仲良くなれた。

でも、彼女の出身は上級市民。

ここでいう、公務員の娘として生まれた。

僕らは一回、離ればなれにされた事があった。

彼女の親が"祓魔師"になるのを反対していて、それを権力を使って捻ふせそうとした｣

--

弦月｢そこで、あの子言ったんだ｣

あぁ、なんで忘れてたのかな。

あんなに濃い思い出だったのに。

あんなに"暖かかったのに"

.

｢『私は、自分で生きる。だから権力なんて捨てるよ』｣

.

弦月｢…………え？｣

『思い出したよ"私"』

『久しぶりだね。

私は、桜魔皇国出身、祓魔師兼"医術師"を務めていた

水樹リンと申します』

水樹リンとは、私の前世の名前だ。

弦月｢…………っ！？｣

『ここは桜魔と違って、平和で良いね。

＿＿＿＿ね？弦月』

＿

ここで[お出掛け編]は終わりです。