いるかとくらげの乱高下。【イナズマイレブン】 (ページ3)

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あれから瓶を部屋に置き、部屋で寛いでいるとまた監督にミーティングルームに呼び出された。

ドアを開けるとどうやら皆が集められていた様で、お見舞いから帰ってきたばかりであろう皆が既に座っていた。

「お〜っほっほ、全員集まった様ですね」

私がいつもの席に腰掛けると、監督がいつもの笑い声をあげる。

「今からオーストラリア代表の試合映像を見てもらいます」

どうやら次の試合の相手であるオーストラリア代表の試合映像を見るらしい。

監督が映像をスタートするためにボタンを押す。

しかし、そこに映し出されたのは何故かハワイアンな格好をした女性と完全に寛いでいる監督の姿だった。

「うふーん、シャッチョーサン、ここ、ハワイじゃないネ！」

「は？」

選手達がそれぞれざわつき始める。

かく言う私も隣にいた一星くんと顔を見合わせた。

「おっとこれは、ナターシャとハワイアンセンターに行った時の映像でした！」

冷や汗をかきながら必死に電源を切る監督には、ため息しか出ない。

「監督、なんですかこの茶番は？」

「そ、そう怒らないで下さいAさん！
…………実はですね、オーストラリア代表の映像は手に入れられなかったんですよ」

「「「ええー！？」」」

何を言っているんだこの監督は。

目の前の男から発せられた理解し難い発言に、軽い目眩さえ覚えた。

手に入らなかったならなぜこの映像を見せたのか。

風丸さんも困惑を隠せていない様で監督に疑問を投げかける。

「それじゃあミーティングは、」

「無理ですねぇ…………。ということで、本日は解散でーす！」

「あ、ちょ！監督！」

私の叫びも届かずに、監督は後ろの扉から出ていってしまった。

「もうあの監督やだ……」

「ええ！？せ、先輩、元気だして下さい！」

「先輩をこんなにするなんて監督はどれだけ自由人なんだ…………」

私が愚痴っていると一星くんが慰めてくれた。

今の私はこれだけで生きていける気がしたよ。

すると、突然監督が出ていった所のドアが開いたかと思うと、また監督が入ってきた。

「ああそうそう、Aさんにはオーストラリア戦に出てもらいますので、怪我が悪化しないように自主練は控えて下さいね！」

それだけ言って、また出ていった。

………私に、何もするなと。

皆は各自弱点克服の為に自主練するらしいから、私はまた1人でぶらぶらしないといけないのか。

私は小さくため息をついて、目を閉じた。