猫が懐いた【kmsr】

猫が5匹 ページ6

あれから、宣言通り私は神代くんに必要以上に話しかけない生活を送っていた。









勿論、英語の授業のペアワークなど、話さないと支障が出る事柄については例外だけど。









神代くんも悪い事をしたと思ってるのか、私が未だに怒っいてると思ってるのか、気まずそうに接してくる。









そんな態度とられたら私の方が気まずくなるやないかーい！！









……なんて、ツッコめればどれだけ楽か。実際は気まずさ全開で今すぐ席替えしたいよ。









｢……でさー、その時彼氏がね｣









話は変わって、私は今、クラスの一軍女子たちと話している訳だが。









何故こんなことになったのかは私にも分からない。私はただ真美の部活が終わるのを待っていただけなのに。教室で1人静かに本を読んでいただけなのに。









｢ところでさ、Aさんって彼氏とかいるの？｣








｢へ、私？｣









突然話を振られたことに驚いて、素っ頓狂な声を出した私を見て、女の子たちが｢いや声｣と言ってケラケラ笑っていた。クソ恥ずかしいなんだこれ。









｢彼氏はいないけど……ていうかいた事ない｣








｢えーマジ！？Aさんモテそうなのに！大人だしけっこー普通に顔可愛いし！｣









｢いやいや、私なんて全然｣









｢いや、Aさんガチで可愛いよ！？自信持ちな！！｣








｢あ、ありがとう……？｣









こんなにべた褒めされると思ってなかった。流石に照れる。









｢Aさんと言えばさ、最近神代くんと話してなくない？何、喧嘩でもしたの？｣









｢え、してないけど……ていうか、喧嘩するほど仲も良くないし｣









キョトン、としながらそう言うと、周りの女の子たちから驚愕の声が上がった。









｢でも結構話してるよねー？席もずっと隣だし｣










｢話しかけてもめちゃめちゃ冷たいよ、実際。席に関しては、なんか神代くんが、”知らない女性と関わるくらいならずっと彼女の方がマシです”って、先生にガチ抗議したらしくて｣









先生が半泣きになりながら私に愚痴ってきたもん。｢神代が、神代が怖い……！！｣って。あの人もう27なのに。









｢そっかー……｣









｢……ていうかさ、神代くんって結構顔良くない？｣

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