家庭教師に恋する5秒前【東雲 彰人】

生徒が7人 ページ8

東雲くんの提案に、ついきょとんとしてしまう。









｢え、うん、別にそれくらいならいいけど・・・逆にそんなのでいいの？｣









東雲くんの事だからもっとエグいお願いされるかと思って身構えていたけれど、そんな必要はなかったらしい。











｢え、先生どんなお願い期待してたんすか・・・もしかして、俺とそういう事した｣









｢わかったじゃあ宿題1回につき1回お出かけね！！｣









危ない。こいつに必要以上に口を開けさせるとセクハラ発言しかしてこないからな。余計なことは言わせないようにしないと。










｢恥ずかしがっちゃって・・・可愛いっすね、先生｣










｢年上をいじめるのやめなさい｣









可愛いを連呼しながら私に向かってカメラを向けてくる東雲くん。いやまって前までスマホだったよね、なんでそんなガチガチのカメラになってんの？？てか授業中にカメラを向けるな！！！！










｢あ、先に言っとくけど、宿題は出す日と出さない日があるから、ご褒美無くなっちゃう時もあるからね｣










さすがに毎回宿題を出すのは酷な話だ。この子にも部活とかバイトとか趣味とか、いろいろやりたいことがあるはずだし。疲労を溜め込んでいい事なんてないからね。









｢え゛、宿題出してくれないんすか｣









｢え、まぁ、負担にならない程度には出すつもりだけど・・・｣











｢いや、負担になってもいいんで毎回宿題出してくれませんか｣











｢で、でも、負担をかけるのってやっぱり良くないことだし・・・｣










｢いや、俺そういうの全然気にしないんで。まじで。全然大丈夫なんで｣










頑なに宿題を出してもらおうとする東雲くん。でも勉強苦手なのにたくさん宿題を出してもなぁ・・・精神的にも心配だし・・・。











｢あのね東雲くん、苦手なことを無理に頑張ろうとしなくてもいいんだよ？やらなきゃいけない範囲で頑張ったらいいだけの話だし、宿題は・・・｣











｢いや、俺に宿題出してください！！！！！！！！｣









｢すごい勢いで頭下げるじゃん・・・なんでそんなに宿題出して欲しいの？｣










ご褒美のためにしてはやりすぎな気もするしと思い、素直に聞いてみた。










｢え、だって｣










｢先生に負担かけられるとか実質ご褒美2つあるようなもんじゃないすか？｣









｢・・・・・・・・やっぱ宿題なしで｣

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