生徒が11人 ページ12
え、ちょ、ま、え????
なんでいるの?????
彼の姿を認識した瞬間、私の体は本能的にお店の影に隠れ、しゃがみこんだ。
いや、まじで待って。
職場に来るパターンは聞いてないって。
まじで東雲くんは授業だけでお腹いっぱいなのよ。いやまじで。
「なんでいるの・・・・・・・・・」
「A、あんたそんなとこで何してんの。サボりだったら給料減らすよ」
「美鈴さん助けてください切実に」
「おおう、どうした」
美鈴さんの足元に縋り付くと、少し引きながら美鈴さんがそう聞いてきた。引かないでお願い。
「あの、今来た男の子。あの子東雲くんなんですけど」
「ああ、今言ってた子」
「絶っっっっっっっ対に会いたくないんですよ」
「そんな嫌いなの」
「いや、嫌いって言うか、なんかこう・・・・・・顔を合わせたくないんですよね」
「へぇ・・・。ところで、今お店には私とあんたしかいないんだけど」
「え?あ、はい。そうですね」
「私はケーキ作るので忙しいからさ、カウンターやる人がいなくなるわけ」
「はぁ」
そこまで言われて、ハッとする。
え、まって。
まさか・・・・・・・・・・。
「頼んだよ!!!☆」
「この裏切りもんがァァァァァァァァ!!!!!!!」
親指を立て、バチコーン☆という効果音がつきそうなウインクをする美鈴さんに、私の怒号が木霊した。
「どーどーA。あんたそんな大声出したら・・・」
「え。・・・・・・・・・あっ」
美鈴さんの胸ぐらを掴む手を止め、錆びたロボットのようにぎこちない動きでカウンターの方を見る。
「え、先生・・・・・・!?!?」
「終わった」
ちぎれんばかりに見開いた目を少しずつキラキラさせていきながら、満面の笑みで私を見つめる東雲くん。
終わった。職場だけはバレたくなかったんだけどな・・・・。
「え、先生ここで働いてたんすか。絵名についてきて正解だったな・・・」
「あ、あはは・・・」
「先生」
突然真剣な目つきで私に向き合う東雲くん。
「な、何」
「生クリーム鼻につけてドジっ子してください」
「帰れ」
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わわわっ - 最高ですね。東雲彰人の良さがしっかり出てます… (8月11日 23時) (レス) id: 3663b5796c (このIDを非表示/違反報告)
桃浦(プロフ) - もうこのひとことに尽きます。最高です!!!!!! (2023年3月29日 7時) (レス) @page18 id: 25d3ac3089 (このIDを非表示/違反報告)
空白時 - んふふふふ((( 最高すぎますね。 (2023年1月2日 19時) (レス) id: 9f8c6244f5 (このIDを非表示/違反報告)
さにさにわんだー(プロフ) - 変な名前ですが(?)フレ申させていただきました! (2022年12月29日 11時) (レス) @page7 id: 0334c9fa09 (このIDを非表示/違反報告)
ある - フレ申させてもらいます!!!! (2022年12月12日 18時) (レス) @page7 id: 6e7c0bef82 (このIDを非表示/違反報告)
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