兄妹でも、幸せになりたい。【竈門 炭治郎】

幸せって。39 ページ45

禰豆子のお陰で、鬼の帯がなくなった。

鬼は一旦禰豆子に任せよう。いや、禰豆子も鬼なんだけど、その、敵の鬼を味方の鬼の禰豆子に・・・あもう何言ってるかわかんねぇや

お兄ちゃんの怪我をどうにかしないと。

｢お兄ちゃん！！｣

そう言って駆け寄る。

私さっきから叫ぶことしかしてないな・・・。もっと役に立たないと。

｢A・・・怪我はないか？｣

｢いや誰が言ってんの！？とにかく、今は少しだけ禰豆子に任せて、緊急処置を・・・。｣

布が、布がない。

この隊服切れねぇかなぁ！！！！！！

｢・・・あ、ちょっとだけ切れ目が。｣

隊服の切れ目を咥え、力任せに破る。

｢・・・あ、やっべ。｣

破りすぎだな、どう考えても。

｢A！？な、何をしているんだ！？｣

｢いや、こんなに破るつもりでは・・・。｣

お腹の部分をちょっとだけ破るつもりだったのに、胸の方まで行ってしまった。

思春期なのに。はず。

｢今は私より、お兄ちゃん！！はい、ちょっと失礼！！｣

無理やりお兄ちゃんの胸の辺りの切り傷を押える。

｢止まって、ちょっとでいいから・・・！！｣

｢A、その、気持ちは嬉しいんだが、目のやりどころが・・・｣

｢じゃあ目瞑って！！｣

｢はい！！！！｣

そんな会話を交わしながらも、止血を終わらせた。

｢・・・何、この変な感じ・・・。｣

胸が、ざわざわする。

｢・・・血の味・・・？｣

遠くからだけど、血の味が。

でも、両方味が違う。

両方鬼の血の味だけど。

｢・・・禰豆子？｣

・・・・なんだろう、これ。

｢A？｣

・・・・いやな、予感がする。

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