兄妹でも、幸せになりたい。【竈門 炭治郎】

幸せって。33 ページ39

｢・・・さて。｣

私的に怪しいのは京極屋かなと思ってるけど・・・。まだ確信は持てないな。

まずは聞き込みから始めないといけないな。

｢えーっと、京極屋の花魁は誰だったかな・・・。｣

まずは花魁から調べていこう、そう思って私は京極屋の店から出てきたお客さんに声をかけた。

｢すみませんすみせん。ちょっとお伺いした事がございまして。｣

(｢おお、こりゃあべっぴんさんだなぁ。どうした？｣

｢実は私今日からここで働くんですけど、花魁の方にご挨拶したくて。花魁のお名前を聞きたいんですけど。｣

｢ああ、この店の花魁か？そりゃあ蕨姫花魁だろ。あんなべっぴんさんは稀にしか見ないねぇ。｣

｢蕨姫・・・？ありがとうございます。｣

｢おう。姉ちゃんも頑張ってな。｣

ぺこりと一礼して、京極屋に入る。

｢・・・蕨姫花魁ねぇ・・・。｣

花魁が鬼だとは信じたくないが、何せ遊郭にいるような鬼。美人に決まっているから、可能性はある。

｢1回見てみたいもんだけどな。｣

｢どうかされました？｣

背後から、女の人の声が聞こえる。

くるりと振り向くと、とても美しい女性が。

・・・この人。

微かにだけど、鬼の味がする。

間違いない、この人が、鬼。

気配を隠すのがうまい。集中していたというのもあるけど、背後に来るまで全く気づかなかった。

｢あら、貴方とても綺麗な顔ね。｣

｢えっと、どちら様で・・・？｣

｢この店の蕨姫花魁だよ。｣

｢・・・！！貴方が！｣

この人が、蕨姫花魁。

やっぱり鬼は花魁だったか・・・。

｢うちの店になにか用だったかい？｣

｢用というか、私、蕨姫花魁の事が気になってて、一目見てみたくて！！｣

あくまで無邪気なこどもを演じる。バレたら命が危うい。

｢あら、嬉しいことを言ってくれるね。ありがとう。｣

｢やっぱりすごく綺麗で・・・！！憧れます！！｣

・・・そろそろ切り上げようかな。

｢念願の蕨姫花魁も見れましたし、今日は失礼させていただきます！！本当にありがとうございました！！｣

ぺこりと一礼して、彼女の横を通る。



｢・・・さぁ、夜を待とうか。｣

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