兄妹でも、幸せになりたい。【竈門 炭治郎】

幸せって。21 ページ27

「・・・ほんとは、あの日・・・。禰豆子達と最後に会った日に言おうと思ってたんだけど・・・。」

「・・・ていうか、まずその謝罪をしないと。」

「・・・ごめんね。」

「皆が苦しんでる中、私1人だけ、友達と一緒に呑気に過ごしてて・・・。」

「・・・皆がどうなってるかも、知らずに。明日もまた、会えるだろうって、勝手に思って。」

「・・・全く同じ日なんて、こないのにね。来る保証もない。」

「・・・ほんとに、ごめんね。いっその事、私も皆と一緒に・・・。」

私が喋っていると、カリッと箱を引っ掻く音が聞こえてきた。

・・・え、禰豆子、起きてたの・・・？

「・・・起きてたんだ。じゃあ、聞いてもらえるね。・・・辛かった、よね。ごめんね。」

「私ね、皆と一緒に、あそこにいたらって、いつも考えちゃうの。」

「・・・皆の辛さを、少しでも楽にできるかなって。」

「・・・私、あそこにっ・・・いたかっ・・・。」

カリッ

また、禰豆子が箱を引っ掻いた。

・・・なんで、このタイミングで引っ掻くんだろう。

・・・もしかして、

「・・・禰豆子、止めてくれてるの？」

私が、ネガティブな思いで、あっちに行きたいって思っているのを。

「・・・そうだよね。折角、生きてるんだもん。生きさせてもらってるんだもん。皆の分も、生きなきゃ、そっちの方が顔向け出来ない、よね。」

禰豆子だって、鬼になってからも必死に抗って、生きてるんだ。

・・・私も、頑張らないと。

やっぱり禰豆子に相談すると、楽になるな。

「・・・ありがとね。禰豆子。」

・・・そうだ、本題。

「・・・禰豆子。もっと大事な話があるんだけど・・・。」

「聞いてくれる？」と聞くと、それを肯定するように優しめに箱を引っ掻く音が聞こえた。

「・・・私、お兄ちゃんのことが、好きなの。」

「いつから、なんて分からない。気づいたら好きだったの。お母さんに、気づかしてもらった。」

「・・・私は、禰豆子のお姉ちゃんで、お兄ちゃんは禰豆子のお兄ちゃん。」

「禰豆子に相談しないといけないなって思って。」

「・・・禰豆子は、どう思う？私が、お兄ちゃんのこと好きな事。」

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