出逢えた4 ページ6
「ん?んん?んんんん?」
「ひひっひひひっ、やっぱり毒効いてるじゃねぇか、じわじわと。効かねぇなんて虚勢張ってみっともねぇなああひひひっ」
その声でハッとする。
宇髄さんが、毒を食らってしまっている。忍である事は本当だけど、毒は無理だったのかもしれない。
さっき少し考えたが、私が毒をくらっていないのは宇髄さんが守ってくれていたからだと思う。
宇髄さんがいなかったらきっと、私は今立ててもいないだろう。
私が、頑張らないと。宇髄さんに助けてもらった分まで。
「いいや全然効いてないね。踊ってやろうか」
「絶好調で天丼百杯食えるわ、派手にな!!」
宇髄さんが走りだしたと同時に私も動く。
宇髄さんはきっと、兄の方を重点的に狙うはず。そっちの方が強いからだ。
なら私は。
「
宇髄さんが妹を大きく蹴りあげてくれた事で狙いやすくなった。
この鬼の倒し方は、2人同時に首を斬ること。
つまり、宇髄さんと連体するのが大切という事だ。
まぁ、その心配は必要ないと思う。
宇髄さんはきっと、ここであの玉を使う。
あれは鬼にだけ危害を与える。
私はその玉が爆発している最中に首を斬る。
宇髄さんの周りにある帯を斬っている時、宇髄さんが玉を使った。
「とった!」
「ぎゃっ」
こっちは無事に仕留められた!
「宇髄さん!」
「悪ぃA。こっちは仕留め損なったぜ」
「お前ら、もしかして気づいてるなぁ?」
「「何に?」」
「・・・気づいたところで意味ねぇけどなぁ。お前らは段々と死んでいくだろうしなぁあ」
「こうしている今も俺たちはジワジワ勝ってるんだよなああ」
確かに、宇髄さんがいつ毒で倒れてもおかしくない状況だ。
宇髄さんが倒れてしまったら、きっと・・・。
「それはどうかな!?」
「俺を忘れちゃいけねぇぜ、この伊之助様と、その手下がいるんだぜ!!」
「何だ?コイツら・・・」
上から宇髄さんを庇うように降りてきたお兄ちゃんは、一瞬だけ私を見て、笑った。
・・・嗚呼、そうか
そんな心配、しなくて良かったんだね。
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