痛いこと ページ29
「……さて、ここまで話せば十分だよね？」
真っ直ぐに彼女は俺らを見ていた。
いつものAだ。
「……ありがとな、」
「んーん、何れ、言わなきゃいけなかったから。」
「ｯA、！！」
突然、俺らの会話を遮るように坂田が声を上げた。
「うん？どしたの？」
「あ、あんな！！俺！！」
Aに近づき手を握るとAは驚いたように眉を下げた。
「俺な、Aが、」
「ぁぁぁあああああ！！！！！！！！！それ以上はあかん！！！！！！」
「なんなんまーしぃ！！邪魔すんなや！」
「それはこっちのセリフやわ！！！何勝手に言おうとしてんねん！だめに決まっとるやろ！！」
「そんなんまーしぃに関係ないやん！」
「関係あるやろ十分！！！」
「えぇぇ、なんの話……」
……この2人は互いをライバル視してる。
少し前から気づいていたけど。
恋は盲目。
その言葉をあげたいほどに、周りを気にせず言い争う2人にはため息しか出ない。
「おら、まーしぃも坂田も、そこまでにしろ。……A、困ってるけど。」
こそ、っと伝えると、2人の喉にその言葉は引っ込んだ。
「……センラさん？どうしたの？」
その発言でセンラに視線が集まった。
その顔は険しく歪んでいる。
「……そいつ、あの世送りにしたらあかん？」
「だめ。一応、周りには好かれてたから。」
「なんでなん？Aにそんな酷いことばっかりしとったのに、」
「……そう言われると言い返せない、」
「せやろ？やから、僕が仕返しして……」
「そんな人達の事で、センラさんの手を汚したくないの。」
凛とした、出会った時と変わらない声がリビングに響いた。
「だから、センラさんは仕返ししちゃだめ。……いつか罰当たるから、大丈夫」
「ね？」とセンラを宥めると、本人も小さく頷いた。
その様子にAは満足気に笑った。
俺には向けられていない、きらきらした笑顔。
針がぬいぐるみを刺すように
車が地面を踏むように
人が首を絞めるように
「…なん、なんだよ、」
痛かった。
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ての(プロフ) - Naoさん» ありがとうございます！頑張りますね、！ (2019年11月21日 22時) (
レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - 今までのアルバムのソロ曲の歌詞が出てきて、その歌詞のおかげでどんな状態なのかもよくわかって、すごく読みやすいし、面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月21日 16時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - ミトさん» 嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - 初コメ失礼します。 読んでいて、すごく面白かったです!続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: d0ac5e5cac (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - Naoさん» 気づいて頂けて嬉しいです、ありがとうございます！ (2019年11月18日 22時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ての | 作成日時：2019年11月17日 21時
