反転する視界 ページ25
「お、上手いやん。子慣れてる感がでとる」
「わーいセンラさんに褒められたー」
「感情一個も篭ってへん」
「ふふ、本当は嬉しいよ、ありゃと」
卵白を混ぜる私の頭をセンラさんが撫でた。
いかにも子供扱いするみたいに。
「……子供扱い嫌だ」
「別にしてへんけどー？」
「じゃあその手はなんだね。」
「可愛ええ可愛ええ」
「セクハラ」
「えぇー？困ったわぁ、なぁ坂田、志麻くん」
「「なんやねん」」
この2人はさっきから私の背中にしがみついて離れない。
動きにくくて仕方ないし、暑っつい。
「あー、A動きにくそう、坂田はよ離れたらええんやない？」
「俺のが先にキッチンに入ってきたやん。まーしぃどっか行きぃや」
「……センラさん、」
「はいはい。ほーら、志麻くんも坂田も、リビングで待っててや、あと1時間くらいしたら持ってくからな、」
センラさんは2人の背中を押してキッチンの外に出した。
数分後、スッキリした表情のセンラさんが戻ってきた。
「さ、続きやろか」
「…ん、」
なんだかんだで1時間
オーブンから取り出したのはまん丸で、緑、紫、赤、黄の生地。
それに白いクリームを乗せて同じ色の生地で挟む。
出来たのはマカロン。
初めてにしては上手なんじゃない？
「じゃあ僕これリビングに持っていくから、うらたん呼んできてもらってもええ？」
「おっけーでっすぅ」
「よろしゅうな」
渡された地図を手に廊下を歩く。
たどり着いたのは緑色の扉の部屋。
ノックをするけど返事がなくて。
こっそり中に入ってみた。
ベッドの上に、規則正しい寝息を立てて眠るたぬきさん。
わぁ……幼い。
「……ねぇ、うらたさん、おーきて」
「……ん、……」
「…センラさんとね、マカロン作ったの。一緒に食べよ、」
「…………ん、……」
「ほら、起きて、」
体を揺すると、「俺はいらない」って巫山戯た返事が返ってきた。
む、っとしてうらたさんの腕を引っ張った。
「行くよ。起きて。」
瞬間、視界が反転する。
スプリングが弾んだ。
目の前には、眉を顰めて切なげに私をみるうらたさん。
「うらた、さ、」
「お前なんもわかってねーよ」
唇に、私のものでは無い熱が伝わった。
数秒そのままで居て、静かに離れていった。
「……ほんと、わかってねー、」
そのままうらたさんは部屋を出ていった。
「な、んだったの、?」
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ての(プロフ) - Naoさん» ありがとうございます！頑張りますね、！ (2019年11月21日 22時) (
レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - 今までのアルバムのソロ曲の歌詞が出てきて、その歌詞のおかげでどんな状態なのかもよくわかって、すごく読みやすいし、面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月21日 16時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - ミトさん» 嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - 初コメ失礼します。 読んでいて、すごく面白かったです!続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: d0ac5e5cac (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - Naoさん» 気づいて頂けて嬉しいです、ありがとうございます！ (2019年11月18日 22時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ての | 作成日時：2019年11月17日 21時
