大食い選手権 ページ26
「おせーよ。何してたんだよ」
「逆になんでそんな平然としてられるのか聞きたいですね」
椅子に腰かけてマカロンを食すたぬきさんには寝癖がついていた。
サードキスはうらたさんに取られました。ついさっき。
「は？なんの事？」
「うっわ、いいよ別に、3番目なんて気にしない」
「……うらたん、Aにキスしはったん？」
殺気のこもった視線がセンラさんからたぬきさんに向いた。
「……てめぇ」
それがたぬきさんによって私に飛んでくる。
「だって！そっちが先にしてきたんじゃん！！」
「うらたん？どういう事か説明できるよな？」
「……できなぃ、」
「できるよな？」
「できます」
「じゃあこれ食べたら僕の部屋来てなぁ」
センラさんは笑顔だけど目の奥が死んでいる。
因みにさかたんとまーしぃはマカロン爆食い中。
喉に詰まらせないといいけど……
と思ってると早速さかたんがむせた。
てかさ、マカロンってもっと上品に紅茶とかと一緒に食べるものじゃないの？
大食い選手権みたいになってますけど。
冷や汗たらたらのたぬきさんとオーラが黒いセンラさんを横目に赤と紫に声をかけた。
「……あのー、もうちょっと味わってくれたら嬉しいなぁ？なんて、」
「Aも食べたらええやん」
「君たちのお陰で1個も残ってませんけど」
「俺の口の中にあるのでいいならあげるで！」
「おー、ありがたいねぇ」
冗談だった。
目の前が陰る。
見慣れた瞳と目が合った。
「……口、開けてや」
でもそれはあほの方ではなくて。
「っちょ、ま、しぃ、っん、む、」
「ん、ｯ、はぁ、っん、ふ、」
口の中に、甘いものが滑り込んできた。
噛む必要がないと思えるくらい細かくなったそれは、相手の唾液も混じっていて。
「おいまーしぃ！！」
「ああぁぁぁぁぁ！！！！あかん！！！」
「A！僕のとこに逃げてきぃや！！！」
身長差のせいか、首が痛い。
足の力なんて入らなくて、まーしぃが私の腰を支えていた。
ちゅ、と音を立てて唇が離れた。
口の中のそれを飲み込んで空気をめいっぱい吸い込む。
「っな、なにす、るの！！！！」
「気持ちよさそうやったけど」
「………………もう知らん。まーしぃやだ」
「っは、？ちょ、」
「ふっ、、、まーしぃ振られたやん、俺の勝ちやなぁ？」
まーしぃの腕の中から逃げると休む暇もなくセンラさんが抱きついてくる。
大きな子供、みたい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 818人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ての(プロフ) - Naoさん» ありがとうございます！頑張りますね、！ (2019年11月21日 22時) (
レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - 今までのアルバムのソロ曲の歌詞が出てきて、その歌詞のおかげでどんな状態なのかもよくわかって、すごく読みやすいし、面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月21日 16時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - ミトさん» 嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - 初コメ失礼します。 読んでいて、すごく面白かったです!続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: d0ac5e5cac (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - Naoさん» 気づいて頂けて嬉しいです、ありがとうございます！ (2019年11月18日 22時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ての | 作成日時：2019年11月17日 21時
