言えないコト ページ3
「なぁ志麻くん、独り占めなんて狡くないですかぁ？」
顔を上げると、黄色い髪の長身の男性が立っていた。
その瞳も冷たかった。
「……なんや、センラくんか。気配消してきたやろ」
「何のことでしょう｡僕は、余所者の匂いがする思ってこっちに来ただけですよ？」
「じゃあもう用は済んだやろ。早く他のとこ行きや」
「それは無理ですわぁ。こーんな美味そうな匂いさせておいてお預けなんて、センラは我慢できません」
私を置いてきぼりに2人がつらつらと会話をしていた。
今なら逃げられる。
そう思っても体が動かないのは、あの冷たい瞳と目が合っているからだろうか。
それとも、手首を握られているせい？
「っあ、、、ぁの、、」
「なんや、喋れたんです？何、はよ要件済ませてや」
「貴方達は……何者……？」
嘲るような、罵るような、そんなふうに冷笑を零した黄色の彼は、私に近づいてきた。
細くて長い指で私の顎を持ち上げる。
「ここの住人は人間なんかやあらへん。ましてや人間なんてただの餌なんですよ？君からここに入ってきたんや、僕らに食べられて終わり。……理解できました？」
抵抗しないのは悔しくて、相手の目を睨んでいた。
「……なんや、その目。何か言いたいことあるん？」
「確かに、ここに入ってきたのは私です。……でも、」
顎を掴む手をと、さっきから黙って会話を聞く、紫色の人の手を振り払った。
「私は絶対に、食べられません。」
「……なんで言いきれるん？」
次に口を開いたのは、後ろに立っていた紫色の人。
なんでって……そりゃ……
「……知りたいからですよ、愛情はどんなものなのか。」
「そんなの知って、なんになるんです？」
「それは分かりません。でも…………」
……言ってもいいのかな、
初対面の人に。
人ではないというこの人たちに。
「でも、なんやねん」
「……言えないです、まだ、」
「は？」
心底不可思議そうな顔をされたけど、気にしなかった。
「あれ……ちょ、その首筋の、って、」
「っくしゅん！！！！！」
「……僕の言葉を遮るとか、立場わきまえた方がええんとちゃいます？」
「雨の中走ってたんですよ」
「どうして？」
「……別に。」
そっぽを向くと、こつ、こつ、と足音が聞こえてきた。
「あれ？まーしぃ、センラ、何しとるん？…その子、誰？」
真っ赤なルビーが不思議そうに私を見ていました。
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ての(プロフ) - Naoさん» ありがとうございます！頑張りますね、！ (2019年11月21日 22時) (
レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - 今までのアルバムのソロ曲の歌詞が出てきて、その歌詞のおかげでどんな状態なのかもよくわかって、すごく読みやすいし、面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月21日 16時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - ミトさん» 嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - 初コメ失礼します。 読んでいて、すごく面白かったです!続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: d0ac5e5cac (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - Naoさん» 気づいて頂けて嬉しいです、ありがとうございます！ (2019年11月18日 22時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ての | 作成日時：2019年11月17日 21時
