ダンス（白） (ページ9)

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一学期が終わり、夏休みになった。

ついに、私とラウとこーじの3人での勉強会だ。

集合場所はこーじの家の近くの駅。

待ち合わせの時間の五分前に行くと、そこにはもうラウとこーじが居た。

仲良さそうに会話をしている。

近づいていくと、私に気付いたのか二人はニコニコしながら手を振ってくれた。

向井(Aー！待ってたよ！)

ラウール(おはようございます。先輩！)

私(おはよう。っていうか二人、そんなに仲よかったっけ？)

二人はガッツリ話すのは初めてなはずだ。

向井(うん。今、めっちゃ仲良くなった！)

ラウール(はい！こーじくんのお話すごく面白いです！)

しれっとこーじくんって呼ばれている。

こーじのコミュニケーション能力は本当にすごい。

向井(じゃあ、早速行くか！俺の家まで案内したるわ！)

とのことでこーじの家に向かう。

こーじとは高校一年生の頃からずっーと仲がいいが、家に行くのは初めてだ。

少し、ワクワクしていた。

向井(はい、着いたでー！これが俺の家や！)

そう言ってこーじが指差したのは二階建ての一軒家だった。

ラウール(うわぁ！大きい！)

向井(早速、入ろか！)

こーじが案内してくれる。

向井(ここが俺の部屋や！)

こーじの部屋はオレンジ色だらけだった。

私(すごいオレンジ！こーじってオレンジ好きなの?)

向井(せやで！俺、オレンジ大好きやねん！)

私(へぇ、知らなかった。)

こーじのことだから部屋は汚いのかと思ったがとても綺麗に整っていた。

ラウール(じゃあ、早速始めますか？)

ラウのその一言で勉強会がスタートする。

私(ねぇこれ分かんなーい。)

向井(俺も！それ、分からへん。)

ラウール(えぇーっとそこは、この公式を使うと簡単に解けますよ。)

私(なるほど！そういうことか！)

向井(待って待って、どゆこと？)

二人の問題児が居てとても騒がしい。

私たちが分からない問題が多すぎるので、ラウにたくさん質問する。

それにラウは一生懸命答えてくれる。

ラウの説明はすごく分かりやすかった。

こーじは理解できている時とできていない時があったが・・・

勉強を初めてからしばらく経ち、窓の向こうは暗くなり始めていた。