ダンス（白） (ページ35)

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ラウとのデートの集合時間は１０時だ。

今は９時半。

もう少しで集合時間になる。

この前、映画を見にいった時、私が変な男の人たちに話しかけられたので、ラウが家まで迎えに来てくれるらしい。

なんかラウに守られている気がして嬉しかった。

そして、１０時になる５分前。

インターホンが鳴った。

玄関を開けると、ラウが立っていた。

学校の制服とは違って、オシャレな格好をしていたので見惚れてしまう。

無言が続いてしまった。

ラウール(A先輩、こんにちは！どうかしました？)

私(あっ。ごめん。ラウがイメージと違う服装だったからびっくりしちゃって。)

ラウール(変ですか？)

私(違う！全然、変じゃない！カッコよかったから見惚れちゃっただけで・・・)

そう言うと、ラウは「ぷっ」と笑った。

私(えっ？私、変なこと言った？)

ラウール(いや、全然変なこと言ってないです。A先輩が、必死にカッコいいって言ってくれるのが嬉しくて。)

私(えっ？)

ラウール(玄関を開けてもらった瞬間、A先輩の動きが急に止まったんで、もしかしたら見惚れてくれてるのかなぁって。)

私(じゃあ、わざとカッコいいって言わせたの？)

ラウール(はい、そうです。必死にカッコいいって言ってくれたの嬉しかったですよ。)

見事にラウの罠にハマってしまった。

私(ちょっと、からかわないでよ！)

ラウール(ふふっ。めちゃめちゃかわいかったです。)

私はかわいいと言われ慣れてないので、反応に困ってしまう。

ラウール(A先輩、顔赤いですよ？もしかして、照れてます？笑)

私(別にっ、照れてないよ？)

ラウール(本当ですか？)

私(うん、からかわないで！)

ラウール(からかってないですよ。あと、そのワンピースかわいいですね。めちゃめちゃ似合ってます。)

私(ちょっともう！やめてよ！ほら、早く行こう！)

ラウール(すみません。はい、分かりました笑)

そう言って、ラウが手を出してくれた。

ラウール(A先輩、どこ行くか知らないですよね？僕が手繋いで案内してあげます。)

私(あっ、ありがとう)

まだ、会ったばかりなのに心臓がうるさい。

今日は体力を使いそうだ。