残念イケメン×3 ページ38
編集が終わった頃には、集合時間の一時間前を切っていた。
集合時間……まあ、とあることがきっかけで、俺はらっでぃに奢ることになったのである。お高い焼き肉を。
またしても金が飛んでいくのか……。はあ、とため息をついた。
編集前に準備を終わらせておいたので、急げばまだ間に合う。
集合場所まで結構かかるけど、一時間あれば……多分、間に合う。
「……なんでぐちがいんの?」
「え? あー、なんか暇そうだったから連れてきた」
「よお」
急いで集合場所に行くと、そこにはらっでぃとぐちが並んで立っていた。
暇そうだからってなんだ、一人増えるだけで俺の金はさらに減っていくんだぞ。
そんな意味を込めて、らっでぃを叩いた。ぐちも叩こうか悩んだが、まあ悪くないしいいかなと。
「どっかの誰かが十二分遅刻したし、そろそろ行くか」
「それはごめん」
編集してたからしょうがない。いつしかの誰かみたいに寝坊したわけではないのだから。
というか珍しく早くに来やがったこいつらが悪いのだ。そうだ、全部こいつらが悪い。
心の中で完結してから、俺も歩き始めた。
集合場所から店まではそう遠くなく、喋っていたらすぐに着いた。
「うおー……高そー……」
「ごちになりまーす」
「クソが……」
すごく綺麗な店だなあ、と現実逃避してしまいたい。
でも、奢ると言ってしまったのは俺だから。はあーっ、と自分の発言を後悔した。
「よし……行くか」
落ちそうになっている鞄を肩にしっかりとかけて、高級そうな店の扉を開けた。
どうせ俺が行かされる流れなので、立っている店員さんに話しかけた。
「あ、すみません。予約していた篠崎です。あー……二人から三人に増えたんですけど、大丈夫ですか、ね?」
「あっ、はい! 大丈夫ですよ。ではご案内しますねー」
ハイ、とカタコトで返してから、二人の方を振り返る。ジェスチャーでついてこい、と伝えると、二人もこっちに向かってきた。理解が早くて助かるね。
店員さんとギリギリ会話できたことに喜びつつ、二階への階段を上がる。なんとなんと、らっでぃに奢るために個室を予約していたのである。わあ、お高いね。
「こちらのお部屋になります。では、ごゆっくりどうぞー」
「あっ、ありがとうございました……」
ぺこり、と一礼してから個室へと上がった。
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クライン(プロフ) - 白木。さん» ホワ……!!「コンプラ違反系実況者」読ませていただいております……まさかコメントいただけますとは、嬉しいです……(昇天)すこっていただけて本当に嬉しいです、のんびり更新していきますのでゆるーく応援よろしくお願いいたします…………!!! (2022年12月24日 23時) (レス) id: 2e57063caa (このIDを非表示/違反報告)
白木。(プロフ) - ……すこです。もう一度言います。すこです(重用) (2022年12月24日 20時) (レス) id: 93794ffb29 (このIDを非表示/違反報告)
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