第零話 ページ2
私の幼い頃の記憶の中に、楽しい思い出といえるものは一つもない。
物心がついた時から、実の父親に暴力を奮われていた。
母親はいない。
私を産んですぐに亡くなったそうだ。
父は、私が泣くとベランダへ出し、夜が明けるまで閉じ込める事がよくあった。
そして、愛人を部屋に入れ、私を放置する。
食事は満足に与えられず、週に一回か二回程度。
風呂も入れられる事はほとんどなかった。
そんなクソみたいな毎日を送っていた、ある日の事だった。
その日、父の機嫌はいつにも増して悪く、私をいつも以上に殴ったり、蹴ったりしていた。
父「本当、ガキは面倒くせえ…
大体、何でお前が生きて、母親は死んでるんだ。
お前のせいで、母親は死んだんだ。
お前なんか生まれてこなきゃ、良かったんだよ。
この…
人殺し
」
その時、私の中の何かがプツンと糸の様に切れた。
幼かった私だが、その言葉は私の心に、酷くのしかかった。
それからは、何をされても感じなくなった。
殴られても、蹴られても、自分のせいで母親は死んだんだ。
これは、母親を殺した私への
罰
そう感じる様になっていた。
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れな(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2022年11月5日 18時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YUKI | 作成日時:2022年7月24日 0時