【銀魂】待って、お兄ちゃん。

9.女の嫉妬は可愛いもんだろ ページ10

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「少し聞きたいことがあって」



「来島」



未だ銃を構える女を視線一つで制した高杉は、ゆっくりとこちらに歩み寄る。


来島と呼ばれた女は悔しそうに眉間にしわを寄せたが、高杉の指示に従い銃を下ろした。




(……ーーー高杉晋助)



白夜叉とともに攘夷志士として攘夷戦争で名を残した、鬼兵隊 総督。


お目にかかれるとは光栄だ。



「どうも、Aです。高杉に聞きたいことがあるんだけど」


「てめェ晋助様を呼び捨てすんじゃねェ！！」

「来島」



先程と同じように来島が渋々といった様子で銃を下げる。ーーーなるほど、この女は高杉にめっぽう頭が上がらないのか。



「晋助さんに聞きたいことがあるんですけど」


「てめェ気安く晋助様を呼ぶんじゃねェ！！」



(どうしろっていうんだ)




高杉はこれには何も言わず、ふう、と紫煙を一つ。



それがちょうど空へと消えた頃、雲の隙間から満月が姿を現した。


月明かりに照らされた高杉の顔は、世でいうイケメンという部類に入ると思う。……ーーー惚れないけど。



「Aだったか。聞きてェことは何だ？」


「神威……って知ってる？」

「……あぁ？」



ーーー・・・高杉の顔が強ばった。



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