【銀魂】待って、お兄ちゃん。

11.男には貢ぐな、貢がせろ ページ12

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「晋助様！？ 何言って、」


「来島」

「でもっ！」



歯を食いしばり、こちらを睨みつける来島。それに対して怖い怖いと肩を竦めた。


「言っとくが、鬼兵隊に引き入れようとしてるわけじゃねェ。同乗してりゃそのうち会えるってだけだ」


「ーー・・・素性も分からない天人を乗せてくれるの？」





クククと喉の奥で押し殺すように笑った高杉は、背中を向けて去っていく。


「あのアホのことを兄と呼んだのはてめェだろうが」


(……あぁ、そういえば言ったな)





高杉の姿が船内へと消えた後、甲板には静寂が訪れた。


(とりあえず一度 万事屋に帰ろうかな。)



クルリと踵を返すと、額に冷たいものが触れた。


「まだなにかあるの、来島」

「気安く呼ぶな」




いつのまにこちらへ回り込んでいたのか。銃口を向けた来島が凄まじい剣幕で待ち構えていた。


「乗る気ッスか。兄に会うために」

「そのつもり。でも本当にお兄ちゃんに会うためだけだから。心配しなくてもいいよ」




パァン！ 来島の指が迷いなく引き金を引いた。すんでのところで首を曲げて避けたが、少し反応が遅れていたら死んでたぞ、あれ。


今のは殺す気だったな。



「偉そうに言うな。私は絶対に認めないッス！」



(……・・・この女、怖い)


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