影なんて、もう知らへん。 ページ26
カメラも、ドアの鍵も、心も、全て壊れている。
プロハッカー顔負けのコンピュータ人間暦でも、
カメラメモリーの復元はできず犯人の指紋など一切残っていなかった。
「旦那様、奥様、警察に連絡致しましょう！？」「そうだよ、お姉ちゃんの言う通り、警察に頼まなきゃだよ！」
姉妹は苦労しながらそのAがいた頃の楽しさを取り戻す。
“れ、れーくん…、お嬢、暦しっかりして欲しいんです…。”
おろおろしながら慰める事も励ます事も出来ない暦に可笑しく笑うみぃとただ頭を抱え佇む蓮。
「あは、あはは…いなくなってしもうた、Aは、あは、一生戻ってこないんやないかなぁ？」
ぽろぽろと涙をこぼす。みぃにとってAはしがらみのない相棒だったのだ。
あれほど遊べる相手は、いないのだ。
今のみぃにとってAは消えたということ。
みぃにとっては、それが悲しくてたまらない。
相棒をなくした今となっては、証拠もなくがむしゃらに探すことなんて、できやしない。
「……」
わしゃわしゃと綺麗なメッシュ入りの頭をむしる。
その顔の表情は、喜怒哀楽などではなく。
ただ単に壊れた人形のように考え佇む。
「あいりしゃちゃん。凜ちゃん。よく聞いてね、ダメよ。警察に連絡しちゃダメよ。」
「こんなことが世間にバレたら、“あのこと”が公の場に出てしまう。そんなことは、一切控えねばならないのだ。我が家の歴史を止めるわけにはいかないからな。」
哉と千鶴はただ止める。
何もしようとせずに、何も見つけようとせずに。
「じゃあ、どうすればいいんですか！？」
「そうよ、Aちゃんが可哀想と思わないの！？」
「…煩いわよ。凛ちゃん、あいりしゃちゃん。聞き分けのいい子になりましょう？」
「月が３つになるときには君たちもわかるぞ。一発でな」
「…そういうことかぁ。
あはは、影なんて知らへん…
うちは“本物”のAを探しに行ってくるわ…」
「…鬼姫、今なんて言った？」
ぼうっとしていた蓮の目に光が灯る。
「…本物のAを探しに行ってくるって言ったんやよ。こんなんがわからないやつなんか指加えて黙ってな」
みぃが微笑む。
「まさか、哉様…！」
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yukari - 最高に面白いです。一番あいりしゃちゃんが好みでたまりません。メイド尊い・・・。執事さん、セクハラで訴えますよ、応援しています。これからも頑張って下さい。 (2017年3月11日 17時) (
レス) id: 9fcf03bf8a (このIDを非表示/違反報告)
ビーワ - 更新したお話もドタバタ感があってとても面白かったです！これからも頑張ってください！ (2016年12月4日 8時) (レス) id: c2403943df (このIDを非表示/違反報告)
ビーワ - すっごく面白いです！蓮くんと夢主ちゃんのやり取り？イチャイチャもっと見たいです！！ (2016年11月29日 16時) (レス) id: c2403943df (このIDを非表示/違反報告)
ぬは - あー！！ｺﾖﾐちゃん可愛いー！！ (2016年11月23日 12時) (レス) id: dfee877f16 (このIDを非表示/違反報告)
みー - あいりしゃちゃん可愛いー(*≧з≦) (2016年11月23日 12時) (レス) id: f91042a182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃんだふる | 作者ホームページ：にゃんにゃんにゃんにゃん
作成日時：2016年8月8日 19時
