執事さん、舞いなさい。 ページ25
みんなが急いでAを探している頃のちっぽけなお話。
「のう、A。一つそなたに問うてもよろしゅうか?」
しゃなり、しゃなりと揺れ舞う黒艶の髪
ひらひらと揺れ落ちる着物
女王はすとんと椅子に腰を降ろす
「そなたは一体、何者なのだ?」
_________“共犯者“に助けを乞いながら。
『私…ですか?うーん、そうですねぇ…。
うふふっ、私は、神ですよ?
_______言うなれば、絶対的な存在というものですかねぇ?』
Aはベッドに顔をうずめる。
到底、人に見せられない恐ろしい顔を。
「ふふ、我は夢などではなくそなたの本性を聞いているんだかのう…。」
残念、という仕草をしたものの着物の裾で真っ赤に塗りたくった口を隠し静かに、不気味に微笑んだ。
「…そなたはどういうつもりだ?我から逃げようと思えば扉には鍵がかかっていない。
そなたなら簡単に逃げられるはずだ。それなのに逃げまいとは…ネジが外れておるのか?」
余裕ぶった表情でAに問う。
それは、もう答えを知っているかのように。
『うふふ、何言っているのですか?私は“影“なんですよ?
あの家に“いてはいけない存在“なんです。あなたならわかると思ってましたけど?』
Aはただ、哀愁ぶった表情で答えるだけだった。女王はやれやれと首を切り落とすマネをした。
「そなたは、余裕があって大変よろしいな。我は、羨ましい」
『…うふっ、沢山の好意に囲まれていれば、余裕たっぷりで過ごせますよ。貴女を私が愛してあげましょうか。愛情の沼に、溺れさせてあげましょうか。汚い愛がどれだけ美しく愚かか、正しくわかりますよぉ。ね、大好き、だなんて。きゃははっ』
バッとAは手を差し伸べた。この手をとれば、何が起こってしまうのであろうか。
「…丁寧にお断りさせていただこう。我は、一昔前に愛を拒否した。その男への罪滅ぼしのため、我は一生、いいや来世も来来世も愛を拒否して生きて行く事に決めたのだ」
『…へぇ、お堅いですね。私にはそっちの方が羨ましいんですけど…罪滅ぼしなんて、出来る状況があるなんて、ネ…』
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yukari - 最高に面白いです。一番あいりしゃちゃんが好みでたまりません。メイド尊い・・・。執事さん、セクハラで訴えますよ、応援しています。これからも頑張って下さい。 (2017年3月11日 17時) (レス) id: 9fcf03bf8a (このIDを非表示/違反報告)
ビーワ - 更新したお話もドタバタ感があってとても面白かったです!これからも頑張ってください! (2016年12月4日 8時) (レス) id: c2403943df (このIDを非表示/違反報告)
ビーワ - すっごく面白いです!蓮くんと夢主ちゃんのやり取り?イチャイチャもっと見たいです!! (2016年11月29日 16時) (レス) id: c2403943df (このIDを非表示/違反報告)
ぬは - あー!!コヨミちゃん可愛いー!! (2016年11月23日 12時) (レス) id: dfee877f16 (このIDを非表示/違反報告)
みー - あいりしゃちゃん可愛いー(*≧з≦) (2016年11月23日 12時) (レス) id: f91042a182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんだふる | 作者ホームページ:にゃんにゃんにゃんにゃん
作成日時:2016年8月8日 19時