癒しと空腹/rbr ページ3
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いらっしゃいませこんにちは。
お昼。
今日も今日とてレジに立つ私はいつも以上にぼんやりしていた。
何故なら、
「お腹空いた……」
鳴り止まない腹の虫。頭に浮かぶは肉厚ステーキ。
そう、今現在。
私、中村Aは人生史上最高度と言っていいほど空腹である。
原因は今朝まで遡る。
いつもバイトに向かう時間の5分前に目が覚めた私は、昼ごはんはおろか朝ごはんもろくに食べれていないのだ。
最悪だ……最悪すぎる……。
この状態であと1時間はムリだ。
裏に引っ込んで何かしら口にしようとは思ったものの、朝から昼までのこの時間帯はレジの人数がいない。私1人しかいないのだ。
もうダメだ…完敗だ。
ちょうど揚がったチキンの香ばしい香りが辺りを包む。
くっ……やめろっ……やめてくれ！！
もはや半泣きでチキンをバットに上げる私は、レジ前の人影に気づかなかった。
「すみません、今いいですか？」
「あっ、申し訳ございません…！」
声をかけられて漸く気づき、慌ててレジに向き直ると、私と同じくらいの背丈の男性が立っていた。
彼は私の顔を見るなりにこりと笑い、お願いしますとカゴを持ち上げレジに置いた。
可愛らしい笑顔と相反する、厳つい量の食べ物たち。
あまりのギャップに驚き、レジに通しながらちらりと彼の顔を伺うと、ニコニコと私の手元を見つめていた。
えぇ、可愛い。え、量とか気にならないくらい可愛いぞこの人。
目の前の美味しそうな食べ物よりも、彼の可愛さに気を取られ、私のお腹も落ち着きを取り戻してくれた。
...
お会計と袋詰めも終え、彼に商品(大きな袋2つ分)を渡し、お礼とお決まりの来店文句を口にする。
彼は歩き出したかと思えば、そのまま振り返りざまにありがとうございます、と満面の笑みとともに素敵な挨拶をプレゼントしてくれた。
思わずきゅんと高鳴る胸。これが天使と言うやつなのね。
彼が帰って行った頃には、私の空腹は完全に姿を消していた。
……
君の笑顔は私の癒し。
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優衣 - このお話大好きです！これからも更新頑張って下さい！ (2019年7月29日 15時) (
レス) id: 0243483252 (このIDを非表示/違反報告)
ちりん(プロフ) - かのんさん» コメントありがとうございます！おお、凄い縁ですね笑^ω^ これからもどうぞよろしくお願い致します。こちらの元の作品もぜひどうぞ。 (2018年12月14日 0時) (レス) id: e28413ab8a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - このお話好きです！そして、偶然にも私の苗字中村です笑そこが嬉しいところでもありました！更新頑張ってください！ (2018年12月13日 23時) (レス) id: 5c739f38cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちりん(南野なつ子) x他1人 | 作成日時：2018年12月13日 21時
