Fall with a cigarette/ut ページ1
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い、いらっしゃいませ、おはようございます！
心機一転、コンビニでバイトを始めた私は、新人ながらに仕事の覚えが速いと先輩方に褒められ、ここ連日笑顔で動き回っていた。
とある朝も少し落ち着いた時間帯でのこと。
忙しい方が時間が過ぎるのは速いけど、こうやって静かな時間もなかなかいいよなぁ。
なんて思いながら、まだ覚えられないタバコの名前を少しでも頭に入れることにした。
お客さんがいないのをいいことに、レジに背を向けタバコの棚に目を通す。
うーん、よく売れるのはまあまあ覚えてるけど、メンソールがなぁ。
メンソール系のタバコがずらりと並ぶ、棚の右上を眺めていると、ふと、何かを軽く蹴る感触が。
下に目を向けると、白いパッケージのショートのタバコが落ちていた。
あ、ウィンストン。
拾い上げて見てみると、私が最近覚えた種類のタバコだった。
ウィンストンのキャスター、5ミリ。
「お姉さん。僕にそれちょうだい」
ふと後ろから聞こえた声に、ばっと振り返る。
先程まで誰も居なかったはずの店内には、1人だけ、よれたスーツを着た会社員がいつの間にか入店していた。
彼は私の手の中のキャスター5を指さして、もう片方の手でレジに450円ぴったしを置いた。
「あ、えと、少々お待ちください。」
「あ、戻さんでええのに。」
慌てて新しいキャスター5を取って渡そうとすると、彼は笑ったままそう言った。
でもあれは床に落ちてたものだし(蹴ったとは言えない)と説明するも、あれでいいの一点張り。
「だって、中村ちゃんあれ握っとったやろ。せやからあれがええねん。」
「…ちょっと仰ってる意味がよくわからないのですが…で、でしたら、そちらに変えさせていただきますね。」
彼がいいと言ってるのだからいいのだろう。
満足気な彼に落ちていた方のタバコを売って、帰って行く後ろ姿を見送る。
去り際に言われた、またな、なんて言葉も気にする暇がないほど混み始めた店内で、私はまたレジ打ちに励むのだった。
……
大先生との初めての会話。
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優衣 - このお話大好きです！これからも更新頑張って下さい！ (2019年7月29日 15時) (
レス) id: 0243483252 (このIDを非表示/違反報告)
ちりん(プロフ) - かのんさん» コメントありがとうございます！おお、凄い縁ですね笑^ω^ これからもどうぞよろしくお願い致します。こちらの元の作品もぜひどうぞ。 (2018年12月14日 0時) (レス) id: e28413ab8a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - このお話好きです！そして、偶然にも私の苗字中村です笑そこが嬉しいところでもありました！更新頑張ってください！ (2018年12月13日 23時) (レス) id: 5c739f38cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちりん(南野なつ子) x他1人 | 作成日時：2018年12月13日 21時
