願い、ひとつ【S.S】PART4

見えない位置 ページ13

チラリと見えた 舌に。
精一杯 自分のを絡めたら。



翔君の両肩を掴んで 押し倒した。




筋肉質な腕を撫でて、片方の手のひらに辿り着くと、しっかり 指と指を絡ませる。



チュッと音を立てて 唇を離し。


翔君を 見下ろす。



「どうしたの？ 」


上目遣いに こっちを見る。



「翔君を、、、、一人占め、したい。」




「えっ？」



翔君の左側の首筋を 指でなぞったら その跡を追いかけるように、唇を這わす。


鎖骨にキスを いくつか落として。



胸の真ん中から おへそにかけて ゆっくりと舌を這わせた。



「んっ、」




翔君の 艶っぽい声が漏れる。





もっと 聞きたい。





脇腹の 下から上へ、 唇を押し付けて。


腕を上げても 見えないだろう、っていう位置に ギュッと、強く吸い付いた。




「ちょっ！、、、はっ？、、Aちゃんっ？！」



翔君の 驚いた声。



我に返って 顔を上げる。





「ごめんなさいっ！ ここ、、、隠れた所だから 大丈夫だと思ったの、、」






ほんとは 翔君が あたしに したみたいに。


胸の辺りの目立つ部分に 痕を残したい。



あたしの、



あたしだけの、翔君だという証。




でも 絶対にそれはムリだから。

目立たない、見えないかな、って場所に 控えめにつけた。


ハズ、、、。





「こんな事 されると困る、、、」






やっぱり 、、、、、ダメだったのかな。
付けた場所、、、





「ごめんなさい、、、」



もう 付けてしまった痕は消せない。





「いや、、そうじゃ、なくて。」




「、、、えっ？」




腕が伸びてきて。
ゴツゴツした指が 頰を撫でる。


「おいで？」



吸い込まれるように 翔君の胸に 顔を寄せたら。


優しく頭を撫でられる。




トクトクと リズム良く聞こえる 心音は、

心無しか、早い、、、、




背中に回る 両手。



ギューーーッと 力が込められたら。





「Aちゃん、可愛い過ぎ、、

いつも ポケットに入れて 持ち歩きたい、、」





「えぇっ、、、？！」



思わず 顔を上げて翔君を見た。





“ いつも、ポケットに ” って、、、、




「翔君？ それ、“ 南くんの恋人 ” の事、言ってんの？ あたし、“ちよみちゃん” じゃ、ないよ？」



せっかくの、甘いムード？が。



何、これ。





「ごめん、ごめん(笑)
そっちじゃ、ねぇわ。
すっげぇ、真面目に言ってる(笑)」

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