白より黒

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ジャス民にも姫花ちゃんを紹介し、発声練習からダンス練習もついていけるようにゆっくりにやった。


歌だって、少クラがある限り全て覚えなきゃいけない。



定番曲のええじゃないか、ズンドコ、あまり知られてないP&Pとか


ダンスが激しめのone chance


少し早口のバンバンッ。





少クラの収録がある時は、覚えなきゃいけない歌を後にし、披露する歌に専念する


雑誌とか、いろいろありすぎて詰め込みだったけど姫花ちゃんは覚えが早いから


半分以上の歌を覚えてた。









『 すごいね、姫花ちゃん。 』



姫「 冬ちゃんが付きっきりでやってくれたからだよっ！ 」








そんなそんな。って照れる私を、少しバカにされながらも2人で笑いあったレッスンスタジオ。


メンバーのみんなは、私に全部任せて姫花ちゃんはガン無視。


少しでも受け入れてくれたらいいのに


なんて、言えるはずもないので、向こうから興味を持ってくれるまで黙って待つ。




これまでも、ずっとそうしてきたからこそ
メンバーを信じてるからこそ


できることなんだなって思った。







夜12時を回って、そろそろ帰ろうかって話し始めた頃


がちゃっと開くドア。








緑「 ……まだ、おったんか？ 」









片手に水を2つ持って、にこって笑う智くんの姿。


…なんだ、姫花ちゃんのこと心配だったんじゃん。




素直じゃないなあってバシッと叩いてやりたい気持ちだけど、なんとなく抑える








『 うん、できれば姫花ちゃんが全部覚えるまではついてやりたいからね 』



緑「 俺よりおかんやないかい 」



『 へへ、 』









ほののんとした空気に入りずらいのか、黙って見守ってる姫花ちゃん。

それを見た智くんは「 はい 」っと水を渡した。



もちろん、私にも。








緑「 お疲れ様。…メンバー全員、まだ受け入れられてないねん。少しでもええから話しかけてやってや 」









智くんの一言で、なにか吹っ飛んだのか、元気よく「 はい！わかりました！！ 」っと頭を下げた。









緑「 結構元気なんやね？ 」

『 うん。ついてくの大変 』

緑「 ふは笑、Aもお疲れ 」







ぽんぽんっと、不意に撫でられた頭。
これまで感じたことのないドキドキがあった。





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