白より黒

白色．27 ページ27

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『 ……、え？ 』



緑「 …なに 」









不機嫌そうにスマホをいじりだし、私からめっちゃ離れたソファに座る。

いつしか見た、ジャックナイフ時代と同じだった。



…違う、智くんじゃない。



じゃあ、






誰？









緑「 こっち見んなし、 」









ﾁｯ、っと舌打ちした智くん。
気づけば楽屋はピリピリした空気になってた。

智くんが怒るとか全然無いし、怒ったとしても最後は笑ってくれる。

そんなのが無い。

そうなると、みんなも智くんを恐れて無言になってしまう。



いわゆる、ボス…かな。






不機嫌智くんに近づく人は誰もいないし、私がいるにも関わらず虐めようともしない。


そんな空気が嫌になったのか、「 はよやれや 」なんて智くんの口が動き出す。









緑「 虐めへんの？こいつ、 」









人差し指を出して、私に向ける。
その先に、力が込められてるような気がして怖かった。

…あと、智くんの眼力がね。



一向に動き出さないみんなにため息をこぼし、「 もうええわ、 」なんて言いながらこっちに近寄ってくる。


顔を見上げた途端、始まる暴力。



智くんの力は普通より倍にも強い。

昨日の「 ごめんな 」は、
昨日の「 好き 」は、


…どこ、行ってしまったのか。





目を開ければ怖く笑ってる智くんの顔。
それを楽しむみんな。
姫花ちゃんは、変わらず「 ざまぁみろ 」っと口パクで伝える。



本物の、独りぼっちだ。






智くんは怖いもの知らず。
だから顔にも傷をつけてく。


近くにあったハサミで、腕や足を切ってきて痛い。

…終わったら、血を拭かなきゃな。なんて軽い気持ちでいられるのも不思議だ。









緑「 …っふぁ、疲れた。 」









30分の間、休むことすら許されない暴力が終わった。

疲れたのは、智くんじゃなくて私もなんだけどな。






寝っ転がってる私を無視し、撮影用の服に着替え始めた智くん。

「 はよ傷拭け。バレるやろ 」

そう囁いてくるのは淳太くん。



…体動けないんだから…、少しぐらいわかってよ…



行き場のない怒りが、どんどん湧く一方だった。








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(おふっ、語彙力！！

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