白より黒

白色．16 ページ16

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何で叫んだかも、何でダンスを途中で中断したのかも、なにもわかんない。


何で、何で、


白色なんて

黒色なんて





…何色にも染まる？
個性？


色は中身まで決まるとは、限らない…






私なんて、



私なんて、





私なんてっ！！









『 なあぁあああああああああぁぁぁああぁ！！！ 』









流星に叩かれたあの時がフラッシュバックして、まだジンジン痛む気がした。


もう、無理だよ。




叫ぶ気力さえもなくなって、「one chance」が静かに流れてく。

肩の力が抜けて、今度は声を殺しながら泣いた。






メンバーが好き。
自分の気持ちに嘘はついてない。


女優業だって、進もうとも思ってない。

ちゃんと断った。




そう、淳太くんの前で。






テレビなんて先輩方のしか見てない。
ドラマも見るけど、面白いとしか思ってない。



ジャニーズ1本。




ジャニーズだけで生きてくと、デビュー発表してから決めてたんだ。

もう迷わない、お母さんが背中を押してくれた、社長が背中を押してくれたこの職業で



みんなで



トップを…







って、もう無理かな。それも。









ははっ、って笑って立ち上がる

スマホから流してた「one chance」も止めて、他の曲で歌練習をする。


この私の声すら、「 綺麗 」っと笑ってくれる人は隣にいない。









『 じー……人生はー… 』









お腹に手を当てて、必死に高いキーを出す。
自分は自分の声を出して。っと照史くんに言われたあの日から


男に合わせず、高いキーを出せるようになってた。


そういえば、あの時は横からぶっ込んできた大毅も

「 透き通ってて好きや〜 」なんてニカッと笑いながら言ってたっけ。




懐かしい、な。








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