21.返事 ページ21
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時間もあっという間にすぎ、放課後。
さすがに満腹と、6時間目にあたった声がいいと評判の先生ってこともあり、眠さはピーク。
爆睡して起きたら隣には小瀧しかいなくて、"起きるの遅い"って怒られる始末。
『起きるまでいてくれたの?』
「先生にいろって言われた」
"女子と男子の差別ひどすぎるよなぁ"って今日居眠りしてたことをモヤモヤっと思い出して笑う。
"あれ、部活は?"って聞くと、
"今から。気をつけて帰れよ"って私の頭に手を置いて撫でて、満足したのか部活へ向かっていった。
『……んう、帰るか』
ここに長くいても意味が無い。
家に帰ってもう一眠りしようかな。
鞄を持って廊下に出ると、右から"あっ"って聞き覚えのある……いや、私の好きな声。
振り返ると、そこにいたのは黒髪くんただ1人だった。
『あっ、黒髪くん……!』
「っ、」
私が1歩踏み出すと、向こうも1歩下がる。
その姿を見て、そうだ……と何度も忘れてしまう"女の子苦手"を思い出した。
"ごめん"
こうなっても、いや、こうだからこそ近づけないのか……って思うと苦しいけど、仕方ないねって言い聞かせる。
「い、や、平気……」
本当に小さい声だったけど、静かすぎる廊下に、黒髪くんの甘い声は聞こえてきて。
返事してくれた?
私に、私だけに向かって……
『へっ……』
「……っ、」
驚いてる私に対して、この距離でもわかるぐらい顔を赤くしてる黒髪くん。
なんていうか、もう、
話せたことが、嬉しい。
『あっ、と、黒髪くん!!』
「……」
『その、えと、好きです!!』
「……」
『ここから香るストロベリー……もう最高です死にます死んでいいです死んでもいいですか?』
話せることに舞い上がる気持ちが抑えられなくて、引かれる覚悟で吐き出すと、わかりやすく引かれた。
"え、"って顔して固まって、我に返った私は土下座した。
「……推しとして、やんな、」
土下座に必死だった私は、そんな黒髪くんの呟き、聞こえるはずがなかった。
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ぽてとふらい。(プロフ) - ちぃのすけさん» コメントありがとうございます!1番…!その言葉だけでもう本当に嬉しいです…!これからも沢山お話を届けられるよう、めっちゃ頑張ります!次回作もよろしくお願いします! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 凜憧さん» ありがとうー!なんかこれ書く前にこんな感じの実際にあって…笑 書きたくなって書いちゃった。凜憧も大変な時期に入るだろうけど、無理しないでね。慌てなくても大丈夫だから。私も二学期から本気出すぞーっ!笑 (2019年8月26日 22時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ちぃのすけ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!自分が今まで見たお話の中で一番大好きなお話でした。最後の重岡くんにめちゃめちゃキュンキュンしつつ、にやけを隠すのに必死でした(笑) こんなめちゃめちゃ素敵なお話に出会えて本当に良かったです。次回の新作楽しみにしてます! (2019年8月26日 19時) (レス) id: d270165aa7 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 完結おめでとう!いつも以上に最後の言葉がグッときて、今、前向きになろうって少しずつ状況を変えてるときだったから余計に響いて、なんかもう泣きそうになった。毎回のようにぽてには元気をもらってるし、勇気をもらってる。すごいなって改めて思った。更新お疲れ様! (2019年8月26日 19時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - しげつぐ。さん» そう?なんか、伝えたいことたくさんでごちゃごちゃになってしまったけど…ちゃんと私の言葉、届いてたのならよかった。うん!新作もまた頑張るね! (2019年8月26日 1時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてとふらい。 | 作成日時:2019年8月7日 10時