生徒会長の神山くんを、こっそり観察したいJKの話。

3.甘党とパン ページ3

＊





どこまでも完璧すぎる神山くんに
惚れそうな村人BのJKである。






「今日はチョコパンオンリー？」


「せやで？」


「ほんま甘いもん好きよな」


「俺の体、8割糖分やからな」


「なんやねんそれ」






お昼。
私にとってはいつもの光景である
神山くん、重岡くん、小瀧くんの並び。


本当に仲がいいんだなと
周りから見てわかるぐらいに、相当仲良い。




そしてそんな神山くんは、甘党らしい。






「でも絶対コンビニのパンよな？
購買では買わへんの？」


「ん？あぁ、
わざわざ買いに行くんめんどくさいやん」


「……それだけ？」


「それだけやけど」







そして、めんどくさがり屋らしい。






「結構前に購買のパン見たことあんねんけど
まぁ……コンビニの方がええかなぁって」


「評価厳しすぎやろ」


「ちゃうねん、購買のパンは
みんなが平等に食べれるパンばっかやねんもん」


「あーそれはコンビニの方がええってなるかもなぁ」


「せやろ？」






心底美味しそうに頬張るチョコパンを
今度私も買ってみようかなと

パンの形をスマホに書き留めておく。


学校で食べるのは恥ずかしいというか
観察してることバレるから、家で食べよう。


チョコパンならきっと、おやつ代わりになるはず。






＊ ＊






神山くんは、大の甘党だ。







『……つい買ってしまった』







放課後、気になって仕方なかったので
学校近くのコンビニに寄って

神山くんがお昼に食べていたパンを
買ってしまった。



無かったらそれはそれでよかったんだけど……
てかまさか、あるとは思わなかった。


見つけてしまったものは仕方ないし、
震える手を何とか抑えてレジに持っていき、





……お金を、払ってしまった。







『…………いただきます』







神山くんが美味しいと言って食べるぐらいだ。
絶対に美味しい……だけど


私は甘いものが苦手、というか。



なんで買ってしまったんだろう。
そんなことを思いながら控えめにかじる。







『……わ、』







お恥ずかしいながら
思わず声が漏れてしまうほど、

美味しかった。普通に美味しいし
甘いものが苦手な人でも大丈夫なやつだ……





その瞬間、脳内では
リピート買い決定の書類に判子が押され

無事、明日もそれを買うのだった。

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