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誰かに揺さぶられる感覚で目を覚ます。
「おい、大丈夫か？」
一番に視界に入ってきたのが御影くんで、その驚きでぼやけていた頭はクリアになった。
周りを見渡すと今居るのは食堂らしく、心配そうにこちらを伺う御影くんを見ていたら、自分がここで疲れ果てて寝てしまったということを思い出した。
『ん、ヘーキ…』
俯いていた顔を上げて目が合うなり、表情が険しくなった御影くんに肩を掴まれる。
その力は彼の指が私の肩に食い込むほど強い。
「おい！何があった！？」
『え？ちょ、いた…』
「何があったか言え！」
いや、こっちのセリフなんですけど！？と目をパチクリさせていると、たった今動いている瞼がいつもより重たいことに気がつく。
この瞼の開き具合から察するに、恐らく目が腫れているんだろう
「誰にされた！？」
『いや、違う！別に誰かに何かされたとかじゃないから』
「えっ？じゃあ、なんでそんな泣いたあとの顔してんだよ」
『その、実は……』
自分が手帳を無くしてしまったこと、隅々まで探したけどどこにも落ちていなかったこと、そして疲れて食堂で眠ってしまったことを彼に伝えた。
「それ、そんなに大事なもんなのか？」
『うん……あれがないと私、生きてけるかわからない』
「……そんなに大事なもん、一人で探してちゃダメだろ。なんで俺んとこ来ないんだよ」
御影くんの言葉に、え？と声が漏れれば、違うのか？と神妙な顔つきで返された。
『あ、ううん。実は糸師くんと蜂楽くんが一緒に探しててくれて……』
「………そうか」
『でも、見つからなかった……もう一回自分でも探してみようと思って、ここに来たんだけど……』
疲れて寝ちゃったみたい。
言葉と共に自嘲の笑みが零れたが、依然として御影くんの顔はどこか硬いままだ。
「大事なのは分かるけど……いくらなんでも無防備すぎ」
『どうして？』
「どうしてって……ここは男だらけなんだぞ？そんな薄着でこんな所であんなかわいい顔して寝てたら誰が何するか分かったもんじゃないだろ」
ん？と首を捻る部分もあった気がするが、それ以上に指示語が多いことに気になってしまった。
一息で話されたから上手く受け止められなかったけど、要するに御影くんは心配してくれてるってことだよね
それが分かった途端、俗っぽい表現になるが、胸の奥がジーンと熱くなるのを感じた。
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます！！最高でした〜 (1月19日 7時) (
レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…！神作品を有難う御座います！ (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました（笑）本当に心が温かくなる話でした！これからも投稿頑張ってくださいね！ (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた！本当に素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾗｺ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2023年1月28日 16時
