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その時だった。
地を這うような低い声が轟いたのは。
「……おい、何泣かせてんだよお前」
どこからか現れた糸師くんが、突然蜂楽くんの胸ぐらを掴んだのだ。当然苦しそうに顔を顰める蜂楽くんだが、一向に糸師くんは離そうとしない。
突然すぎる事態に、目が白黒する。
な、なに、何やっちゃってるの〜この人……！
『ちょ、糸師くん！？離して！』
「うるせぇ。おい答えろ、なんで泣かせてんのか聞いてんだよ！」
「ちょ、凛ちゃん誤解なんだけど〜！」
『糸師くん違うの！蜂楽くんは助けてようとしてるの』
は？と糸師くんの顔が固まったあと、そのままバサりと蜂楽くんが落とされた。
うぇえ、と少しオーバーめに呻き声を上げる蜂楽くんに、一応大丈夫か駆け寄る。
『蜂楽くん、大丈夫？』
「うん、ヘーキ！」
『そう……』
よかった、と胸を撫で下ろしたのもつかの間
『糸師くん、急に何するの』
「…お前が勘違いさせるようなカオしてんのが悪い」
このふんぞり様だ。
呆れて言葉も出ない……
『か、勝手に勘違いしたのはそっちでしょ？』
「うるせぇ。お前がピーピー泣いてるからだろ。ブス顔がもっとブスになってんぞ」
『はぁあ？』
なんなの、なんなのこいつ……かわいくない
「で、なんでお前は泣いてたんだよ」
言え。と上から見下ろすその風貌はドラマに出てくるヤクザと変わりなかった。
断じて屈服した訳では無いけど、私は手帳をなくして探してたことと蜂楽くんに会った経緯を、その切れやすい頭でも分かるように一から丁寧に話してあげた。
「はぁ……何かと思ったら手帳かよ
そんなんで一々泣くな紛らわしい」
『……そんなこと言うならもう行って。私も行かなきゃだから』
「だってさ〜。おやすみ凛ちゃん」
こんな会話に費やしてる時間は1秒もない。
はやく、早く見つけないと……見つかるまでは多分寝れないだろうし……
今だって意識を手帳に戻したら、心臓が嫌な音を立て始めた。
「おい、待てよ」
『なに』
「別に手伝わねぇとは言ってないだろ」
『……もう、どっちなの…』
ほんと、素直じゃないな
私みたいじゃん
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます！！最高でした〜 (1月19日 7時) (
レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…！神作品を有難う御座います！ (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました（笑）本当に心が温かくなる話でした！これからも投稿頑張ってくださいね！ (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた！本当に素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾗｺ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2023年1月28日 16時
