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手帳は私が移動している時に落とした可能性があるかもということで、とりあえず今日行った場所を3人で散策することにした。
最初は分担して探すつもりだったけど、ケータイもない状況で果たしてそれが上手く機能するとは思えなかったので、一つ一つの場所を丁寧に探す作戦に切り替えたのだ。
「そういやその手帳ってどんなやつなの?」
『えっと……大きさは普通の手帳と変わらなくて、赤色で、表紙にドラえもんのシールが貼ってある』
「どいつも持ってそうじゃねぇか」
『いや、今どきドラえもん使う人あんまりいないと思うけど……』
歩いている途中、モニタールームに立てかけてあるホワイトボードを見つけたので、手帳の絵を描いてみることにした。
「確かに、具体的なイメージあった方が俺らも探しやすいしねっ」
「お前にしてはよく思いついたな」
『一言うるさいんだから……うん、こんな感じかな』
「ほー、どれど…………」
「……おい、俺はプレデターの絵を書けとは一言も言った覚えねーぞ」
『ぷれっ、失礼な……れっきとしたドラえもんでしょ……!』
まぁ、かなりデフォルメになってはいるけど……
でもちゃんとの特徴を掴んでるはずだ……鈴とか、ヒゲとか
ほら、とボードを突きつけるも蜂楽くんには目を逸らされる。
え、なんで……?そんなにこのイラストドラえもんに見えないの……?
「ま、まぁ、ドラえもんって簡単そうに見えて何気に書くの難しいキャラランキング一位だよね!」
すごいフォローのされ方された
「……俺の生まれた国とお前の生まれた国じゃそいつのデザイン違ったんだな」
『……もういい』
せっかく親切心で書いてやったのに……馬鹿にされるんなら書かなきゃ良かった。
「すぐキレんなよ。カルシウム足りてねぇぞ」
「気にしないでね。凛ちゃん思春期拗らせてるからこの歳になっても好きな子いじめたくなるだけなんだよ」
「…………は?」
「ふふ、まさか凛ちゃんにこんなかわいい一面があるなんて。あとで潔に報告しーようっと」
「お前マジで黙れよ。殺されてぇのか」
「照れちゃって〜。この天才蜂楽くんにはなんでもお見通しなんだもんね!」
「お前会話出来ねぇの?」
……やっぱり、一人で探せばよかったかも
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます!!最高でした〜 (1月19日 7時) (レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…!神作品を有難う御座います! (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました(笑)本当に心が温かくなる話でした!これからも投稿頑張ってくださいね! (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた!本当に素晴らしい作品をありがとうございます! (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ヒラコ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツナ | 作成日時:2023年1月28日 16時