76 ページ32
．
『は？なんて？』
言われたことの意味がちょっとよく分からず今一度聞き返した私に、叔父さんが｢だーかーらー｣と憎たらしさ全開の様子で椅子ごとぐるんとこちらを振り向く。
くそ、所作が一々腹立つな……
「U−20戦のスピーチ、インタビュー来るらしいからお前も答えて。マネージャーの意見もあった方が番組的にも美味しいし内容次第ではスポンサー達へのアピールになるから。大衆の注意も引けるしな」
『え？あの、え？だってそれ全国放送でしょ？』
私がカチコチになってインタビューしてる姿が全国放送されるってこと？いや無理絶対上手く出来ないし第一にそんな大事なことなんでこんな試合数日前になって言うわけ！？
「選手たちの評価を上げる献身的なやつ頼むぞ。お前の肩にアイツらの将来かかってるからな。分かってると思うけど拒否権ないから」
『ぼ、暴君すぎる……』
ここは中世ヨーロッパの絶対王政かなんかだろうか。
「じゃ、そゆことでよろしく」
『……はい』
言いなりは悔しいけど、私の身を案じてくれてるのは叔父さんだから……。ここは大人しく言うことを聞くしかない。
それに、私からもみんなにはお礼したいし。
インタビューという遠回しな形だけど、今までみんなが見せてくれたひたむきな努力とか、くれた優しさを伝えることで次のキャリアなんかに繋がってくれたら嬉しいな。
将来、みんながプロや別の道で活躍する姿を脳裏に思い浮かべながら仕事を進める。
そしたらいつの間にか回収したボトルを山積みにしすぎたようで、いくつか床に落っことしてしまい慌ててしゃがむ。
ため息をつきながら拾っていると、目の前に人影が現れた。
「よ。久しぶり」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2603人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ブルーロック」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます！！最高でした〜 (1月19日 7時) (
レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…！神作品を有難う御座います！ (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました（笑）本当に心が温かくなる話でした！これからも投稿頑張ってくださいね！ (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた！本当に素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾗｺ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツナ
| 作成日時：2023年1月28日 16時
