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「な、何言ってんの……悪いのはっ、全部その女なんだから!」
私は悪くない!と醜い金切り声が耳を刺す。
もはや目の前の女は人間じゃなくなっていた。大好きだった人に拒絶され、完全に理性を失っている怪物のよう。
「なんで!?なんでその女なの!?そいつは汚いんだってば!穢れまくってるんだよ!ビョーキになる!」
小学生のような文句に、一周回って怒りも飛んでしまった。
人ってここまで堕ちぶれられるんだ……
は、とつい口から声が漏れる。
だが隣の男は違ったようで。
相当頭に来たらしい。
あ?とゾッとするような低い声が近くで聞こえたと思ったら、次の瞬間に私は赤髪の彼にオトガイを掴まれて顔を合わせられていた。
そして、
『な、ん…!?』
「は?」
「……やっ、なにして!?」
いきなり顎クイされて何が起きてるの状態の私に、彼は噛み付くように自分の唇を重ねたのだ。
当然の如く私も周りも固まる。千切くんも少しやらかしたと思ったのか、すぐさま唇を離した時に耳を赤くさせながらごめんと謝られた。
「ひょうま……?なに、して…」
「Aは汚くなんかねーよ。これで分かった?」
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます!!最高でした〜 (1月19日 7時) (レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…!神作品を有難う御座います! (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました(笑)本当に心が温かくなる話でした!これからも投稿頑張ってくださいね! (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた!本当に素晴らしい作品をありがとうございます! (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ヒラコ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツナ | 作成日時:2023年1月28日 16時