マネージャーが消えた【ブルーロック】

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呪力が溜まったら出ていこうと思って潜り込んだ場所は、今や世界で一番しあわせな場所となっていた。


まるで私が２回目の人生を送ることを赦されるために建てられたのかと錯覚するくらい、私はこのブルーロックの人間として彼らとの生活に溶け込んでいた。





傍から見たら随分と薄情な女だと思う。
死線を共にくぐり抜けた仲間たちは未だ戦っていると言うのに、私だけひとりこんな平和に暮らしている。


雑用をこなして、みんなと楽しく話して、あぁ私この人に好かれてるなってことを実感してる日々。


明日が怖いと感じることも、死への恐怖に怯えることも、血が滲むほどの鍛錬をしなくてもいい。
死ぬほど嫌いな婚約者に迫られる心配だってもちろんない。

呪霊の攻撃で内蔵がスクランブルエッグになるとか、瀕死の怪我も追わない。ボールが当たったくらいじゃ。






あの時は痛かったなーなんて下腹部の辺りをさする。
任務先が東京校に近くなかったら、きっと私は今頃居ない。



そう思うと、生きててよかった。



手に入れたこのしあわせを絶対に離したくない。
こんなに心地いい世界があるのなら、私はずっとここで生きていたい。



命をかけて戦ってるのにまともに感謝なんかされない、捨て駒のように扱われる呪術師なんかよりも

ひとりの女の子として蝶よ花よと大事にされる方が嬉しいに決まってる。





腐ったミカン？



なんとでも言って。





腐ってようが人の心がなかろうが、私は私のために生きるって決めたんだから。





だって少なくとも、ここにいる彼らはみんな"自分のエゴの為"に戦ってる。

私たちが陰で一般人を守るために死んでいく中、守られているこの人達はみんな、自分のために生きてるんだ






だったら私だって……自分のために生きてみたい






相伝とか術式とか全部捨てて、普通の人生を歩んでみたい













なのに、なんでよ







『なんで……』







「よっ、おつかれサマンサー！いやぁ、部屋の前で熱いキスなんて流石は若人だね！恵が知ったら泣いちゃうだろうな〜」







なんで、あなたがここに

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