マネージャーが消えた【ブルーロック】

御影玲王の証言 ページ14

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今でも忘れない。Aと初めて会った日のことを。





突然のことだった。モニターの前に集められて、何かと思えば映し出されたのはあのメガネじゃなく一人の少女。

一瞬マネージャーかと思ったが、すぐにそうじゃないと分かる。




なぜならそいつは普通じゃなかった。

頬と首にでっかいガーゼが貼ってあって、後で実際に会った時わかったけど身体にも包帯を巻いていた。

虐待されていた子でも拾ったのかと周りがザワついたが、その後言われた言葉は想像の斜め上を行くモノだった。






"記憶喪失"






どうやらあの子は、ここに来るまでの経緯や怪我の原因、そして自分が誰なのかも名前以外何一つ覚えていないらしい。


なのでとりあえず記憶が元に戻るまでここに置くことにしたと。


これも後でわかった事だが、どういう訳か警察を激しく拒んでいたらしい。明確な記憶はないけど、警察には頼れない事情があるのだという。





そんな訳あり少女がこの青い監獄に馴染むのには、そう時間はかからなかった。





持ち前の明るさや華やかなルックスでAはたちまちここの人気者となっていた。

俺も何度か話しかけに行ったけど、その時も取り巻きがいてあんまり時間は取れず、

らしくない、遠くから眺めることしか出来なかった。






『御影くんって試合する度何か吸収してるよね。すごいな〜っていつも思ってる』

「まじで？はは、そんなふうに言ってもらえると嬉しいわ」






だから、たまに話せた時は胸が飛び出る程緊張したっけ。










今思えば記憶喪失に関しては不可解な点が多すぎるが、そんなものは最早どうでもよかった。


こいつを離したくない。

ずっとここに居て欲しい。



このまま、記憶が戻らないでと思っちまう

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