私には無関心だったのに【五条悟】

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そっか……


あの子がうちに来たんだ





どこまで入ったかは分からないけど、少なくとも悟の部屋に行ったのは間違いない。







もしかしたら今回が初めてじゃないのかもしれない。
いやむしろそっちの方が可能性は高い。

私は悟となるべく顔を合わせたくなくて、長期の任務ばかり入れていた。その期間私が家にいない間だったらいくらでも連れ込むことが出来る。


悟が任務と言って家を空けてたときも、実はあの子に会ってたのかも……



ダメだ…一旦疑問が出てきたら、そこから枝分かれするように浮かんじゃう。










別にいいよ。いいけどさ






じゃあどうしてあの子と結婚しなかったの？




従姉妹だから親に止められた？
今更世間体なんか気にするタチじゃないでしょうが……










私と悟のいざこざは今に始まったことじゃない。

幼少期の顔合わせの時から私たちは仲が悪かった。

それに悟とあの子の仲の良さは今に知ったことじゃないし。


















「あ、私このイチゴのがいいな」


「あーダメ。それあいつのだから」






今でも覚えてる。

悟が任務帰りに珍しく差し入れを買ってきたときのこと。






手を伸ばしかけていたのをサッと引き戻した。
私がイチゴを好きなこと、覚えててくれたんだって勘違いしたのが恥ずかしくてたまらなかった。



イチゴはひとつしかない。あの子のために買ってきたそのひとつの横にあったプレーンを、赤い顔を隠すように取った。






別になんてことない些細なこと。

だけどその些細なことでさえ、積もれば大きな不安になる。






こんなことばっかりだった。

私の誕生日にはあの子の買い物に付き合って、任務で二人揃って怪我した時はあの子を心配して






一度でも私が優先されることはない。


その青い目に私が映ることも。






こうして段々と、悲しいと思う心が麻痺していったんだっけ。

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