26episode ページ26
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帰り道、Aを家まで送っている時の空気はドブのように不味かった
いや実際に食ったわけじゃねぇけど、例えるならそんな感じで。
｢次は…どっちか分かっか？｣
｢えっと……右？｣
｢ううん。左｣
Aがちらほら帰り道を忘れてしまうから、今では俺の方が完璧に覚えてしまった。近道までも。
確かに、思い当たる節はいくつかあった
まず上にも挙げた通り家の帰り道を忘れることだったり、ついさっきまで話してた会話を忘れていたり、数学や化学で言ったら公式、英語や古典で言ったら単語の意味を忘れていたりと。Aは日常で使う総てを少しずつ失っていた。
ただ事じゃないとは思ったさ。
だって、10代の人間がそう簡単には忘れない、初めてやった夜の事までも忘れてたんだから。
それも一昨日の話。
絶対忘れないって、言ってたのに……
消されたんだ、俺たちの夜が
｢……灰谷君｣
｢ん？｣
｢ごめんね……ごめん……｣
｢……なんでお前が謝るんだよ｣
言わなくても、わかってる
お前は優しいから、俺を気遣ってるんだろ？
迷惑かけちゃってるとか、申し訳ないとか
あのな、そんなことはな
｢気にしてねぇよ、何も。だから泣くな｣
お前の泣き顔見てると、こっちまで悲しくなってくるんだよ……
お前の笑った顔が、俺の癒しなんだからさ
｢……でも、このままじゃっ｣
"いつか、灰谷君のことまで忘れちゃう"
Aのその言葉は、夢のようでありながらもグサリと確実に俺の心臓を貫いた
｢……ばーか。そんなん俺が忘れさせねえよ｣
忘れたとしても、その度俺が思い出させてやんよ
｢だから、大丈夫だ……｣
｢っ灰谷くん……｣
大丈夫だから。
頼むから、別れるとだけは言わないでくれ
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華恋(プロフ) - こんな素晴らしい作品を今まで見逃していた自分に嫌気が指す…タイトルの雰囲気からは想像できない感動が衝撃すぎて…まさに衝撃の事実…感動しすぎて語彙力失いました……どうしてくれるの作者様。() (8月14日 9時) (
レス) @page49 id: 92a816f288 (このIDを非表示/違反報告)
千珠 - めちゃくちゃ心に刺さる･･･！つらい･･･！ (2022年2月9日 14時) (レス) @page48 id: cf6ad1b61e (このIDを非表示/違反報告)
千珠 - 待って、マジで泣きそう･･･！！ (2022年2月9日 13時) (レス) @page39 id: cf6ad1b61e (このIDを非表示/違反報告)
千珠 - マジで幸せになってくれ･･･！！ (2022年2月9日 12時) (レス) @page33 id: cf6ad1b61e (このIDを非表示/違反報告)
千珠 - まさか一虎のお姉ちゃんだなんて･･･泣きそうになりました･･･！ (2022年2月9日 12時) (レス) @page28 id: cf6ad1b61e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2021年12月25日 21時
