episode120〇 ページ30
’
｢お待たせ、隆君｣
｢ん？……あっ、おう。久しぶり｣
12月25日。玄関を開ければ、迎えに来てくれた隆君がバイクに跨っていた。
なんか2秒ほど間があったのが気になるけどまぁいいか
慣れないスカートを抑えながら彼の後ろに座れば、
｢可愛いじゃん、その服｣
｢あ、ほんと？いつもこういう格好しないんだけどね、おばあちゃんが買ってくれたからたまには着ようかなって…スカートとか柄じゃないんだけどねっ｣
やだ、なんでこんなペラペラ言葉が出てくるんだろう
何か悪いことした訳でもないのに、まるで言い訳するみたいに……
｢そーかぁ？似合うぜ、スカートも。A美人だし｣
｢それはどーも。隆君もイケメンだから特攻服も似合うよね｣
｢それはどーも｣
お世辞の言い合い(私は本気だけど)をすれば、お互い溢れるように笑いが零れた。なんだかおかしくて仕方なかった。
｢んじゃ捕まってろよ｣
｢りょーかい｣
｢プレゼント持った？俺への｣
｢ふふ、ちゃんと持ったよ｣
｢やーりっ｣
寒い中、私たちだけ温かい空気感に包まれる感じがした
そしてあと数時間後、この温かい空気感を私は壊すことになる
罪悪感とケーキとチキンを胸に抱いて、もう片方の手で隆君の腰あたりを掴んだ
そのまま10分ほど経って隆君の家に着けば、ルナマナちゃん達が抱きつきながら迎え入れてくれた
持ってきたケーキを切ってチキンを並べて、あと隆君が作ってくれた絶品料理をテーブルに運べば
あっという間に豪華なパーティー会場が出来上がった。
隆君家が用意してくれた子供用のシャンメリーで乾杯すれば、姉が亡くなってからは味わったことのない、家族の温かさが伝わってくる
美味しいご飯とケーキ食べた後は一緒にゲームして遊んで。
ルナマナちゃん達に持ってきたプレゼントを渡せば、今日1番の笑顔で喜んでくれた。
｢はい、隆君も｣
｢やった！ありがとな、開けていい？｣
こくりと首を縦に降れば、口角をあげた隆君がラッピングのリボンを丁寧に解いていく
｢わぁ、ニット帽？かっけぇ！ありがとな｣
｢いーえ。ごめんね、私男子のプレゼントとかよくわかんなくて……｣
｢なんで謝んの？ちょー嬉しい、愛用する！｣
｢ふふ、それは良かった｣
｢じゃあ次は俺な。はいこれ｣
そう言って渡されたのは、何やら大きめの袋に入っている、柔らかい感触のモノ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
