episode93● ページ3
’
｢は？お前な、次その嘘吐いたらお前でも許さない
大体なんでお前にそんなこと分かるんだよ｣
ありもしないでたらめを言って、俺を舞い上がらせるのはやめてくれよ…
｢分かるよ。だって、同じ気持ちなんだもん
私と同じ、マーくんに恋する女の子だから、嫌でも分かっちゃうんだよ…｣
私だって分かりたくなかったよと涙を零す絹に、とうとう俺の思考は鈍り始める
嘘だ。全部嘘だ
Aが絹に嫌がらせしてることだって、俺を、好きなことだって…
そりゃあ嘘じゃなかったら、どれだけ嬉しくて、もどかしいことか。
｢なんで、一人しか結ばれないんだろう……
なんで、二人で愛するのはダメなの……｣
手に入れられないから、欲しくなる
俺と絹は、相手は違えど互いに同じ想いを持つ失恋者なんだと分かった
｢……今日は変なこと言ってごめんね。
もう言わないから……
でももし、少しでも私を信じてくれてるなら
明日、放課後学校の近くのファミレスにいて。それで駐輪場のどこかに隠れてて。
嘘じゃないって、証明出来るかもしれないから｣
別に絹の言葉を信じているわけじゃない
ただ、行ってみるだけじゃ悪にはならないだろうと、この時の俺は軽く考えていた
その日の放課後、俺は絹の言った通りに近くのファミレスの駐輪場で待っていた。
デケェ室外機の陰に隠れながら。
東卍の総長が何してんだろ、我ながらすげぇ馬鹿みてぇだなと思いつつも、俺の心臓には未だ緊張感が走っていた
そして絹の話通りと言うべきか、本当に絹とAがファミレスから出てきて、
慌ててまた室外機の陰に身を隠せば、次第に二人の会話が聞こえてくる
｢謝って｣
｢え？なにを……？｣
｢ボイスレコーダー……謝って｣
｢……｣
どうやらAはボイスレコーダーについて何か絹に怒りを持っているみたいだった
ボイスレコーダーが一体どうしたのだろうか。ていうかなんでそんな物が話の話題に出てくるんだ？何か重要な証拠でも握ってたとか……？
｢分かんね｢もう無理、もう耐えられない……！嫌い！あんたが嫌いなの！お願いだから私と佐野の目の前から消えて！さっさと消えてよ！｣
心臓が止まったように感じた
俺の独り言に被って聞こえたのは、Aの叫び声
それも
"…………マーくんの前から、消えろって"
まるで、絹の言葉を肯定するような。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
