episode112〇 ページ22
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その後、家に帰ってもベッドに入ってからも
ずっと、絹ちゃんの腕から流れるあの赤い血が目から離れなかった
もし、もしも私が佐野ともう一度付き合ったりなんかしたら
絹ちゃんは、一体どんな手を打つのかな……
もしかしたら次こそ死を選ぶかもしれない。
そしたら私はまた、誰かの大事な人を奪ってしまうとこだった……
お姉ちゃんだけでなく、2度も……
もう、私のせいで誰かが悲しむのは見たくない……
でも、
『お前さ、ちゃんと笑えよ』
『そーそれ。その顔の方がカワイーじゃん』
『なんか堅苦しそー。もっと肩抜いて生きろよ。俺みたいにさ』
でもあの時、荒んでいた私を救ってくれたのは、他でもない。佐野だった
あの太陽みたいな笑顔が、私を救ってくれた
だから、ダメだとはわかってるけど
私も佐野を、譲りたくない……
でもそしたら、絹ちゃんが悲しむ……
それは佐野を困らせることにもなる
もう、どうしたらいいの……
｢A〜って、寝てるの？｣
｢……お母さん……！ううん、起きてるよ｣
｢そぉー？ほら、おやつ作ってきたの！
そろそろ期末テストでしょ？勉強しなきゃね｣
｢あぁ……うん、今からやるね｣
泣きそうになるのをグッと堪えて、私は机の前に座る
何度も見た問題集を開いてノートに解けば、ポタ……と目から雫が零れて字を滲ませた
｢えらい！中間はあんまりだったもんね〜。でもAなら大丈夫！お姉ちゃんと同じ陽大付属行けるよ！
あ、おやつここ置いとくね｣
｢……うん！よし、がんばろーっと！｣
ノートに零れたその雫は、いつの間にか大きくなっていて。
問題を解き終わる頃には、自分がなんて書いたのか読めなくなっていた。
初めて見る数式でも、大体のものは解ける。
でも、
｢(私って、なんのために生まれたんだろう)｣
これだけは、多分一生分からない
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kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
